第2 建築関係訴訟

1.建築関係訴訟とは

 建築関係訴訟とは,①建物に関する設計,施工又は監理の瑕疵の有無,工事の完成の有無,工事の追加変更の有無及び設計,施工又は監理の出来高の有無に関する請負代金(設計料及び監理料を含む。)請求訴訟,②建物の設計,施工,監理の瑕疵又は工事の未完成を原因とする損害賠償請求訴訟,③建物修繕ローンに関する立替金請求訴訟のことをいいます。

2.留意点

(1) 訴状について

① 対象となる建物を明らかにすること
 建物の地番,家屋番号,構造,床面積などとともに,行政上の表示区画も明らかにしてください。また,別紙で建物を特定する場合には別紙の添付を忘れないようにしてください。

② 請求の法律構成を明らかにすること
 損害賠償を請求する事案において,当事者間に契約関係がある場合,それが請負契約の債務不履行に基づくものか,瑕疵担保責任に基づくものか,それとも不法行為に基づくものかなどその法律構成を明らかにしてください。

(2) 書証について

① 原則として一つの文書につき,一つの書証番号を付すること。

② 大部にわたる文書で頁番号がないものは,あらかじめ頁番号を付すること。
 頁番号がないものは,争点整理や証拠調べの際に混乱する可能性があります。また,似かよった書証(図面等)も多いことから,提出された書証の落丁の有無,正本と副本の同一性の有無が確認しやすいため,ご協力お願いします。

③ 裁判所に提出する写し等にマーカーなどで印をつけて重要な箇所を明らかにすること。
 建築に関連する文書は,1枚の紙面の中に含まれている情報量が多く,重要な情報が他の情報の中に埋もれてしまい分かりづらい場合が少なくありません。相手方及び裁判所に必要な情報を伝えるために一層の工夫が求められます。

④ 写真撮影報告書や証拠説明書の末尾に図面を添付するなどして,写真の撮影者,撮影日,撮影箇所,撮影方向を必ず明らかにすること。

⑤ 写真や図面は,ファクシミリで提出するだけでなく,クリーンコピーを,遅くとも期日当日までに提出すること。
 ファクシミリで提出した場合,写真は,真っ黒になってしまい,図面は,縮尺が変わり,線がまっすぐに印字されず,付記した小さな数字が判読できなくなることが多々あります。

⑥ 専門家委員交付用写しの提出
 建築関係訴訟では,専門委員や調停委員などの専門家委員が事件に関与することがあり,その場合,専門家委員に対して提出された書類(準備書面,書証等)の写しを交付しています。別途お知らせする部数の写し(クリーンコピー)の提出をお願いします。
 写し(クリーンコピー)を後日提出される場合は,ファクシミリ送信の際に,その旨及び提出期限を送信書に付記してください。

(3) 瑕疵一覧表について

 瑕疵一覧表を作成する際には,「瑕疵一覧表の記載に当たってのお願い」や記載例を参考にしてください。

(4) 追加変更工事一覧表について

 追加変更工事一覧表を作成する際には,「追加変更工事一覧表の記載に当たってのお願い」や記載例を参考にしてください。

(5) 事件の進行について

① 書面の提出期限を厳守すること
 調停委員や専門委員が関与する事件で,期日の直前に書面が提出されると,調停委員や専門委員にあらかじめ送付することができず,十分な検討をしてもらうことができなくなります。したがって,期限を守ることが特に重要になります。

② 訴訟事件番号のほかに付調停事件の事件番号を提出書面に併記すること
 訴訟事件が調停に付された後は,調停事件の番号で,期日等の事件情報を管理しています。また,当庁では,大阪地方裁判所本庁及び支部の全民事部から訴訟事件が調停に付されるため,訴訟事件の番号のみでは,提出書面がいずれの事件についてのものかを判別するのが困難となる場合が少なくありません。

③ 提出書面には提出先の係名を記載すること
 当部には,訴訟事件担当係,調停事件担当係あるいは双方を担当する係があります。係名の記載がないと提出書面の振り分けを要し,事務処理の遅滞につながります。

3.書式

 建築関係訴訟では,必要に応じて次の書式を活用してください。

  1. 裁判手続を利用する方へ
    1. 窓口案内(大阪地方裁判所(管内支部を含む),管内の簡易裁判所)
    2. 窓口案内(大阪家庭裁判所(管内支部を含む))
    3. 大阪府下の管轄
    4. 担当裁判官一覧
      1. 大阪地方裁判所(民事部)担当裁判官一覧
      2. 大阪地方裁判所(刑事部)担当裁判官一覧
      3. 大阪地方裁判所(支部)担当裁判官一覧
      4. 大阪家庭裁判所 担当裁判官一覧
      5. 管内の簡易裁判所 担当裁判官一覧
    5. 裁判所の民事手続について
    6. 民事訴訟等手続に必要な郵便切手一覧表
    7. 民事事件記録の閲覧・謄写手続について
    8. 申立て等で使う書式例
    9. 専門部,執行官室,調停係からの手続案内
    10. 保全部(第1民事部)
      1. 1_1.第1民事部のご案内
      2. 1_2.第1民事部で取り扱う事件(手続)
      3. 2_1.民事保全手続とは
      4. 2_2.民事保全事件の手続の流れ
      5. 2_3.民事保全事件の申立て
      6. 2_4.担保決定
      7. 2_5.保全命令の発令
      8. 2_6.債務者審尋
      9. 2_7.管轄
      10. 2_8.担保取消しの手続
      11. 3_1.配偶者暴力等保護命令手続とは
      12. 3_2.配偶者暴力等保護命令手続の流れ
      13. 3_3.管轄
      14. 4.申立書等書式のサンプル
      15. 書式一覧(PDFファイル)
      16. 5_1.事案に応じて必要な書類
      17. 5_2.保全事件の取下げに必要な書類
      18. 5_3.保全執行解放に必要な書類
    11. 商事部(第4民事部)
      1. 1_1.商事部(第4民事部)が取り扱う事件の種類
      2. 1_2.申立ての場所
      3. 1_3.事件処理の状況・運用等に関する資料
      4. 2_1 会社非訟事件とは
      5. 2_2(1)会社法と旧商法との適用関係
      6. 2_2(2)解散届,貸借対照表・財産目録の提出の要否
      7. 2_2(3)帳簿資料保存者・重要資料保存者の選任申立ての要否
      8. 2_2(4)清算人選任申立ての方法等
      9. 2_3一時取締役・監査役職務代行者(仮役員)選任申立ての方法等
      10. 2_4株主総会招集許可申立ての方法等
      11. 3_1手形・小切手訴訟の手続の概要
      12. 3_2訴状の記載内容等
      13. 3_3答弁書の記載内容等
      14. 4申立書・訴状等書式サンプル一覧
    12. 労働部(第5民事部)
      1. 1. はじめに
      2. 2. 労働事件にはどのようなものがあるでしょうか
      3. (1) 解雇の有効性に関する事件
      4. (2) 整理解雇に関する事件
      5. (3) 解雇予告手当に関する事件
      6. (4) 有期雇用において雇用の終了(雇止め)に関する事件
      7. (5) 配置転換に関する事件
      8. (6) 賃金に関する事件
      9. (7) 退職金に関する事件
      10. (8) 労働条件に関する事件
      11. (9) 労働委員会の救済命令などの取消訴訟(労働組合法27条の19など)
      12. (10) 公務員の労働に関する事件
      13. (11) 労災保険の支給に関する事件
      14. 3. 労働事件の解決のためにどのような手続があるでしょうか
      15. 4. 第5民事部で行われている手続にはどのようなものがあるのでしょうか
      16. 労働審判のQ&A
    13. 倒産部(第6民事部)
    14. 建築・調停部(第10民事部)
      1. 1_1.建築・調停部(第10民事部)について
      2. 1_2.建築関係訴訟
      3. 1_3.民事調停事件
      4. 1_4.借地非訟事件
    15. 執行部(第14民事部)
      1. 不動産執行申立てに必要な書類等
      2. 自動車執行申立てに必要な書類等
      3. 競売申立時の代位登記について
      4. 代金納付手続
      5. 代金納付手続に必要な書類等
      6. 引渡命令申立
      7. 引渡命令(ひきわたしめいれい)から強制執行申立(きょうせいしっこうもうしたて)までの流れ
      8. 不動産引渡命令の執行文付与・送達証明申請をされる方へ
      9. ローン制度の利用
      10. 債権執行
      11. 債権者の方へ(注意書)
      12. 扶養義務(養育費・婚姻費用等)に係る債権差押命令申立ての説明
      13. 新法により設けられた新しい民事執行手続の概要
      14. 執行手続書式例
      15. 財産開示手続の申立てをされる方へ
      16. 預貯金債権等の情報取得手続の申立てをされる方へ
      17. 給与債権の情報取得手続の申立てをされる方へ
      18. 不動産の情報取得手続の申立てをされる方へ
    16. 交通部(第15民事部)
      1. 1. 交通部(第15民事部)について
      2. 2. 交通部(第15民事部)の取り扱う事件
      3. 3. 交通事件の審理について
    17. 医事部(第17・19・20民事部)
      1. 第1節 医事部の誕生
      2. 第2節 医事部で取り扱う事件
      3. 第1節 はじめに
      4. 第2節 訴え提起から争点整理
      5. 診療経過一覧表の利用
      6. 専門的知見の活用
      7. 争点整理案の積極的な活用
      8. 当事者の理解と協力
      9. 第3節 証拠調べ
      10. 集中証拠調べの実施
      11. ポイントを絞った尋問の実施
      12. 鑑定とは?
      13. 鑑定人の選任手続について
      14. 鑑定人となられる皆様へ
      15. 第5節 判決又は和解
      16. 第1節 はじめに
    18. 知的財産権部(第21・26民事部)
      1. ご案内
      2. 第一審の管轄
      3. 控訴審の管轄
      4. 知財訴訟の訴額算定基準
      5. 書類及び電子データの提出について
      6. 証拠説明書提出のお願い
      7. 計画審理モデル<計画審理による知財訴訟の迅速解決>
      8. 付記弁理士
      9. 第1部(知的財産権制度,訴訟手続の概要など)
      10. 第2部(訴訟準備など)
      11. 特許・実用新案Aコース
      12. 特許・実用新案Aコースの答え
      13. 特許・実用新案Bコース
      14. 特許・実用新案Bコースの答え
      15. 特許・実用新案Cコース
      16. 特許・実用新案Cコースの答え
      17. 意匠コース
      18. 意匠コースの答え
      19. 商標コース
      20. 商標コースの答え
      21. 著作権コース
      22. 著作権コースの答え
      23. 不正競争防止法コース
      24. 不正競争防止法コースの答え
    19. 執行官室
      1. 動産執行の申立て,不動産引渡(明渡)執行の申立て,保全処分の執行の申立てに必要な書類
    20. 大阪簡易裁判所調停係
      1. 無料調停手続相談開催のお知らせ
      2. 夜間の調停手続案内
    21. 大阪家庭裁判所の手続案内
      1. 子の返還申立手続の書式について
      2. 面会交流の調停等申立手続の書式について
      3. ハーグ条約関連リンク
      4. english
      5. ハーグ条約実施法関連Q&A
    22. 家事手続案内について
    23. 申立てに使用する書式等
    24. 家事事件の各種申請で使う書式について
    25. 大阪家庭裁判所後見センター(後見サイト)
    26. 人事訴訟事件について
    27. 財産管理事件について
    28. 遺産分割調停について
    29. 遺産分割以外の相続関係調停について
      1. 遺産分割(手続について)
      2. 遺産分割(申立等で使う書式)
      3. 遺留分減殺
      4. 遺留分侵害
      5. 寄与分
      6. 特別の寄与
      7. 遺産に関する紛争
    30. 即日審判(家事事件)について
    31. ハーグ条約実施法関連サイト
    32. 後見サイト(大阪家庭裁判所後見センター)
      1. 後見等開始申立てをお考えの方へ
      2. 総合支援型後見監督人の選任の運用開始について
      3. 市町村のご担当者の方へ
      4. 総合支援型後見監督人の方へ
      5. 後見等開始申立て関係書式
      6. 成年後見申立てセットの取寄方法
      7. 後見人等に選任された方、開始後の各種申立てをお考えの方へ
      8. 未成年後見人選任申立てをお考えの方へ
      9. 未成年後見人に選任された方へ
      10. 任意後見監督人選任の申立てをお考えの方へ