第3 民事調停事件

1.管轄

 原則…①法定の管轄裁判所
 例外…②合意による管轄裁判所
 ※表中の条文はいずれも民事調停法

【調停の種類】【管轄】
①法定の管轄裁判所②合意による管轄裁判所
民事一般調停相手方の住所,居所,営業所又は事務所の所在地を管轄する簡易裁判所(3条1項)任意の地方裁判所又は簡易裁判所(3条1項)
宅地建物調停紛争の目的である宅地又は建物の所在地を管轄する簡易裁判所(24条)紛争の目的である宅地又は建物の所在地を管轄する地方裁判所(24条)
農事調停紛争の目的である農地等の所在地を管轄する地方裁判所(26条)紛争の目的である農地等の所在地を管轄する簡易裁判所(26条)
商事調停相手方の住所,居所,営業所又は事務所の所在地を管轄する簡易裁判所(3条1項)任意の地方裁判所又は簡易裁判所(3条1項)
鉱害調停損害の発生地を管轄する地方裁判所(32条) ―
交通調停相手方の住所,居所,営業所又は事務所の所在地を管轄する簡易裁判所(3条1項)
損害賠償を請求する者の住所又は居所の所在地を管轄する簡易裁判所(33条の2)
任意の地方裁判所又は簡易裁判所(3条1項)
公害等調停相手方の住所,居所,営業所又は事務所の所在地を管轄する簡易裁判所(3条1項)
損害の発生地又は損害が発生するおそれのある地を管轄する簡易裁判所(33条の3)
任意の地方裁判所又は簡易裁判所(3条1項)

 民事調停事件の管轄裁判所は,基本的には,「法定の管轄裁判所」欄記載の裁判所ですが,当事者間で「合意による管轄裁判所」欄記載の裁判所を管轄裁判所とすることを合意した場合には,その裁判所にも管轄があります。民事調停事件の申立ては,管轄のある裁判所に対して行ってください。

* 管轄合意書を作成する場合には,当事者,事件名などによって,事件を特定するとともに,代理人による合意の場合には,委任状を添付してください。

* 契約者間の紛争の場合,契約書に管轄の定め(「訴訟」ではなく,「紛争」について,「大阪地方裁判所を管轄裁判所とする。」と記載されていることを要する。)があれば,管轄の合意が認められます。

2.留意点

(1) はじめに

 民事調停事件は大きく分けて,調停の申立てによって始まる場合(「申立事件」ともいいます。)と,訴訟事件の途中で調停に付されることによって始まる場合(「付調停事件」ともいいます。)があります。
 大阪地方裁判所への民事調停事件の申立ては,当部において受付をしています。医事,商事,知財の調停申立ての受付も第10民事部で行っています。
 大阪地方裁判所に係属している訴訟事件が調停に付された場合は,原則として当部の調停事件になります。

(2) 予納郵便切手の内訳について

 民事調停事件の申立てに必要な予納郵便切手の内訳は以下のとおりです。申立書と書証の重量が通常より重い場合は御相談ください。

【郵便切手額】【枚数】【合計額】【追加の郵便切手】
84円5枚590円相手方が1名増すごとに140円分
(内訳-84円1枚,10円5枚,2円3枚)の郵便切手を1組追加
50円2枚
20円2枚
10円2枚
2円5枚

(3) 書面の提出についてのお願い

① 当部には調停の係が複数あるので,書面の宛先には担当係名も記載してください。

② 申立事件と付調停事件のいずれの場合でも,書面を提出する際には,調停委員が指定されているものについては,その正本に加えて調停委員の人数分の写しを提出してください。

③ 付調停事件で調停委員が指定されているものについては,既に訴訟手続で提出済みの書面の調停委員の人数分の写しを提出してください。

④ 付調停事件につき提出された書面は,特に調停事件の記録として提出されたものであることが明らかなものを除き,訴訟記録につづることを予定しているので,訴訟事件の事件番号と調停事件の事件番号を併記してください。なお,訴訟手続で陳述,提出する予定のない書面は,その旨を明記してください。

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    12. 労働部(第5民事部)
      1. 1. はじめに
      2. 2. 労働事件にはどのようなものがあるでしょうか
      3. (1) 解雇の有効性に関する事件
      4. (2) 整理解雇に関する事件
      5. (3) 解雇予告手当に関する事件
      6. (4) 有期雇用において雇用の終了(雇止め)に関する事件
      7. (5) 配置転換に関する事件
      8. (6) 賃金に関する事件
      9. (7) 退職金に関する事件
      10. (8) 労働条件に関する事件
      11. (9) 労働委員会の救済命令などの取消訴訟(労働組合法27条の19など)
      12. (10) 公務員の労働に関する事件
      13. (11) 労災保険の支給に関する事件
      14. 3. 労働事件の解決のためにどのような手続があるでしょうか
      15. 4. 第5民事部で行われている手続にはどのようなものがあるのでしょうか
      16. 労働審判のQ&A
    13. 倒産部(第6民事部)
    14. 建築・調停部(第10民事部)
      1. 1_1.建築・調停部(第10民事部)について
      2. 1_2.建築関係訴訟
      3. 1_3.民事調停事件
      4. 1_4.借地非訟事件
    15. 執行部(第14民事部)
      1. 不動産執行申立てに必要な書類等
      2. 自動車執行申立てに必要な書類等
      3. 競売申立時の代位登記について
      4. 代金納付手続
      5. 代金納付手続に必要な書類等
      6. 引渡命令申立
      7. 引渡命令(ひきわたしめいれい)から強制執行申立(きょうせいしっこうもうしたて)までの流れ
      8. 不動産引渡命令の執行文付与・送達証明申請をされる方へ
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    16. 交通部(第15民事部)
      1. 1. 交通部(第15民事部)について
      2. 2. 交通部(第15民事部)の取り扱う事件
      3. 3. 交通事件の審理について
    17. 医事部(第17・19・20民事部)
      1. 第1節 医事部の誕生
      2. 第2節 医事部で取り扱う事件
      3. 第1節 はじめに
      4. 第2節 訴え提起から争点整理
      5. 診療経過一覧表の利用
      6. 専門的知見の活用
      7. 争点整理案の積極的な活用
      8. 当事者の理解と協力
      9. 第3節 証拠調べ
      10. 集中証拠調べの実施
      11. ポイントを絞った尋問の実施
      12. 鑑定とは?
      13. 鑑定人の選任手続について
      14. 鑑定人となられる皆様へ
      15. 第5節 判決又は和解
      16. 第1節 はじめに
    18. 知的財産権部(第21・26民事部)
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      4. 知財訴訟の訴額算定基準
      5. 書類及び電子データの提出について
      6. 証拠説明書提出のお願い
      7. 計画審理モデル<計画審理による知財訴訟の迅速解決>
      8. 付記弁理士
      9. 第1部(知的財産権制度,訴訟手続の概要など)
      10. 第2部(訴訟準備など)
      11. 特許・実用新案Aコース
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