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裁判所トップページ > 各地の裁判所 > 大阪地方裁判所・大阪家庭裁判所 > 裁判手続を利用する方へ > 裁判所の民事手続について


裁判所の民事手続について

ここでは,裁判所におけるいろいろな民事手続について,大阪地方裁判所・大阪簡易裁判所の各部の紹介を交えながら御説明しています。国民の皆様に,事案に適した民事手続を御利用いただくための道しるべになればと思います。

 まず,裁判所の民事手続には,大きく分けて,訴訟と,訴訟以外の手続があります。それらの関係は,次の図のとおりです。

執行手続

 以下,図に沿って,裁判所職員Aと,裁判所に来られた一般の方Bの会話により,御説明しましょう。

保全手続

A: 保全手続とは,簡単に言うと,相手方から確実にお金を回収するために,訴訟での判決より前に,相手方の財産を仮に差し押さえる手続です(※「仮処分」という制度もありますが,以下は「仮差押え」という制度に限定して説明します。)。
例えば,相手方(被告)に土地や建物,預金などの価値がある財産があったとしても,土地や建物が誰かに売られてしまったり,預金が引き出されて使われてし まっては,仮に訴訟で勝っても,相手方からお金を回収することができなくなるおそれがあります。そのため,あらかじめ,相手方のそれらの財産について, 売ったり,使われたり,隠したりできないようにするため,財産を仮に差し押さえるという手続です。

B: 例えば,土地や建物,預金の仮差押えは,具体的にはどうなるんですか?

A: 土地や建物などの不動産の仮差押えでは,仮差押えの命令が出された場合,仮差押えがされたことが不動産登記簿に登記されます。預金の仮差押えでは,金融機関に対して預金者への払戻しを禁止する命令が出されます。その結果,土地や建物を売られても効力を否定できたり,預金が引き出されることを防ぐことができます。

B: 仮差押申立てが認められる場合には,担保をたてる必要があるんですよね。

A: はい。仮差押えは,訴訟での判決より前に,仮に被告の財産を差し押さえておくということですから,もしかすると,仮差押えがされた後に,原告が訴訟で負けてしまうこともありうるわけです。このような場合には,原告は,仮差押えによって相手方に生じた損害について,損害賠償責任を負うことがあります。そのための担保として,例えば,現金を供託するなどの必要があります。

B: 担保の額はどのくらいなんですか?

A: 決まった金額があるわけではなく,仮差押えする財産の価値や請求している額などを考慮して定められます。

B: 仮差押命令が出された場合,仮差押申立人としてはその後どうすればいいんでしょう。

A: 仮差押えは,判決までの間,仮に財産を差し押さえておくというものですから,仮差押申立人は,訴えを提起しなければなりません。勝訴判決を得れば,仮に差し押さえた財産に対して強制執行の手続をとることができます。

【強制執行については後ほど御説明します。】

訴訟手続

A: では,訴訟手続についての説明に入りましょう。紛争をどう解決するか,の部分のお話です。紛争を解決するにあたっては,いくつかのバリエーションがあります。

訴訟手続

B: 図にある「通常の民事訴訟」というと,お金を貸したから返して,といった一般的な民事事件ですよね。専門的な民事訴訟というと?いろいろ部があるようですが。

A: 民事訴訟の中でも特殊・専門的な事件については,大阪地方裁判所では,それぞれ扱う特殊部が決まっています。
【大阪地方裁判所の各特殊部と,各特殊部が扱う事件について,詳しくは(http://www.courts.go.jp/osaka/saiban/#tokusyu)で紹介しています。】

B: 簡易裁判所の手続には,「少額訴訟」と「支払督促」というものがあるんですね。

A: はい。少額訴訟というのは,原則1回の審理で行う迅速な手続です。

B: 1回で終わるんだったら,通常訴訟よりも,少額訴訟の方が便利に思えるんですが。

A: 確かに1回の審理で結論が得られるという点は魅力的だと思います。ただ,見方を変えればチャンスは1回しかないともいえます。通常の訴訟であれば,何回かに分けて言い分を述べたり,証拠を提出したりすることが予定されているのですが,少額訴訟では,双方がその日のうちに言い分を述べ,証拠を提出しなければなりません。
その他にも,敗訴した場合の不服申立ての方法など,通常の訴訟とは異なるところがありますので,その違い等を十分に認識されて,少額訴訟にするか通常訴訟にするか御判断いただくことが必要だと思います。
【少額訴訟について,詳しくは,(http://www.courts.go.jp/saiban/wadai/1902/index.html),または,簡易裁判所の民事事件Q&Aを御覧ください。】

B: 支払督促や調停などの他の方法もあるんですよね。

A: はい。では次に,支払督促について説明しましょう。
金銭の支払を請求する場合は,支払督促の手続も選択することができます。この手続は,申立人の申立てに基づいて裁判所書記官が金銭の支払を命じる制度であり,確定すると判決と同様の効力が生じます。書類審査で手続が進められて いきますので,訴訟のように,審理のために裁判所に出向いていただくということは必要ありません。「法廷での審理はちょっと!」という人には向いていると いえます。確定後,相手が支払をしなければ強制執行に移ることができます。また,この手続は請求金額の多い少ないにかかわらず簡易裁判所だけに認められて いるものです。

B: 法廷に出なくてもいいんですね。

A: そうですね。ただし,裁判所からの書面を受け取った相手から「異議の申立て」がされると,訴訟手続に移りますから,その場合は,法廷に出ることが必要 になります。これまでの交渉の経緯からみて異議申立てがされる可能性が高ければ,最初から訴訟手続を選択された方が早いと言えます。
【支払督促について,詳しくは,(http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_minzi/minzi_04_02_13/index.html)を御覧ください。】

B: なるほど。では調停とはどんなものなんでしょう。

A: 調停は,調停主任(裁判官または民事調停官)1名と,民事調停委員2名以上で構成する「調停委員会」が調停手続を行い,紛争を話し合いで適切に解決しようとする制度であり,調停でまとまった内容は判決と同様の効力があります。
 【民事調停について,詳しくは,(http://www.courts.go.jp/osaka/saiban/minji_tyoutei/index.html)を御覧ください。】

B: 事案に応じていろいろな紛争解決の方法があるのですね。

執行手続

B: 図にもどると,訴訟手続の次にある「執行手続」ですが,これはつまり,裁判所で「金銭を支払え」という判決をもらったのに相手方が支払わない場合に,お金を回収することができる手続,ってことですよね?

A: そうです。相手方から任意の支払がない場合には,強制執行手続によって回収を図っていただくということが考えられます。強制執行は,訴訟で言い渡された判決が確定した場合の「確定判決」,少額訴訟で言い渡された「仮執行の宣言を付した判決」,支払督促での「仮執行の宣言を付した支払督促」,調停での「合意の内容が記載された調停調書」などに基づいて行うことができます。

【強制執行の流れや申立てについて,詳しくは,大阪地方裁判所第14民事部の紹介ページ(http://www.courts.go.jp/osaka/saiban/tetuzuki/minji14/index.html)を御覧ください。】

これまで,保全手続→訴訟手続→執行手続の流れについて説明してきました。
ところで,例えば個人が債務の返済ができないときに,どのような手続をとればいいのでしょうか。この問題にも,いくつかの解決方法があります。

その他の手続

特定調停手続

A: 特定調停とは,個人・法人を問わず,金銭債務があり支払(弁済)を続けていくことが難しい場合,債権者と返済方法などについて話し合って,生活や事業の建て直しを図るための手続です。
特定調停手続では,調停委員会が,申立人から生活状況や収入,今後の返済方針などについてお聴きした上で,相手方の意向も聴きながら,どのように支払っていくことが経済的に合理的なのかなどについて,双方の意見を調整していき,合意に導きます。

B: この手続を利用すると,一般的にどのくらいの期間で返済すればいいんですか?

A: この手続での返済期間については,業者との折り合いが付く目安としておおむね最長3年程度としています。それ以上の長期にわたらないと返済が不可能な 場合には,相手方である業者の同意が得られればよいのですが,そうでない場合は倒産の手続を利用することも考えられます。

個人再生手続

A: 個人再生手続とは,将来において継続的に収入を得る見込みのある個人債務者で,再生計画で決めた額を原則3年で分割弁済し,残債務を免除する手続で す。つまり,少しでも債務を支払う力が残っている人は,支払える範囲内で債務を払い,支払い能力を超える部分については免除してもらう制度ということがで きます。

破産手続

A: 借金をまったく返せなくなった場合には破産手続によって,借金を整理することができます。

【これら3つの手続について,詳しくは,大阪地方裁判所第6民事部の紹介ページ(http://www.courts.go.jp/osaka/saiban/minji6/index.html)を御覧ください。】

 裁判所の民事手続について,だいたいお分かりいただけましたでしょうか。
 大阪地方裁判所では,毎年10月に,一般市民の方々を対象に,民事の各種の裁判手続を分かりやすく説明するイベント「民事裁判手続説明会」を開いています。
(このページの説明も,平成21年に実施した民事裁判手続説明会で説明した内容の一部をもとに作成しています。)
 毎年,様々な分野について説明を行っていますので,ぜひ御参加ください。