債権執行(婚姻費用分担金に基づく差押え)

目次

概要

婚姻費用分担金に基づく差押えの手続には、以下の①及び④があります。
どの手続を利用できるか分からない場合は、こちらの「債権執行等(養育費等に基づく差押え)」ページに進み、案内に従って手続案内フロー図1を利用してください。

債務名義に基づく強制執行
調停調書や公正証書などで取り決めた婚姻費用分担金(子の監護に要する費用を含んで婚姻費用分担金の支払に合意等をした場合に限られません。)が支払われない場合に、債務者の給料や銀行預金等を差し押さえ、債権者が債務者の勤務先や銀行等から支払を受けること等により、債権を回収する手続です。取り決めた婚姻費用分担金の全額の差押えの申立てをすることができます。

婚姻費用分担金に基づく担保権実行
父母の間での合意、調停調書や公正証書などで取り決めた婚姻費用分担金(子の監護に要する費用を含んで婚姻費用分担金の支払に合意した場合に限られます。) が支払われない場合に、債務者の給料や銀行預金等を差し押さえ、債権者が債務者の勤務先や銀行等から支払を受けること等により、債権を回収する手続です。この差押えは、法務省令で定められた額(月額8万円に子の数を乗じた額)を上限として先取特権が付与され、一般債権者に優先して回収することができます。
なお、令和8年4月1日以降に発生した婚姻費用分担金に限って差押えの申立てをすることができます。

■差し押さえる債権が不明な場合
差し押さえるべき債権が不明である場合は、養育費等のワンストップ執行手続(財産開示)を参照してください。
養育費等のワンストップ執行手続とは、養育費等の扶養義務等に係る定期金債権に基づいて財産開示手続の申立て又は給与債権に係る第三者からの情報取得手続の申立てをした場合に、それらの申立てと同時に債務者が開示した又は第三者から情報が提供された給与債権に対する差押命令の申立てをしたものとみなす手続です。

■手続に関する主な用語の説明
〇債務名義
強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在、範囲、債権者、債務者を表示した公の文書のことです。強制執行を行うには、この債務名義が必要です。
債務名義の例としては、以下のものがあります。
a. 確定判決
b. 仮執行宣言付判決
c. 仮執行宣言付支払督促
d. 和解調書、民事調停調書
e. 家事調停調書、家事審判書
f. 公正証書

〇婚姻費用分担金
別居中の夫婦の間で、夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用をいいます。

〇婚姻費用分担金に基づく担保権実行
法律によって特に優先的な弁済が認められている「子の監護に要する費用」について、その優先権に基づき回収を図る手続をいいます。債務者が支払をしないときには、債務者の財産から、他の一般の債権者に優先して弁済を受けることができる手続です。
婚姻費用分担金の中に「子の監護に要する費用」が含まれていない場合には、担保権実行の手続を申し立てることはできません。

①債務名義に基づく強制執行

概要

調停調書や公正証書などで取り決めた婚姻費用分担金が支払われない場合(子の監護に要する費用を含んで合意した場合に限られません。)に、債務者の給料や銀行預金等を差し押さえ、債権者が債務者の勤務先や銀行等から支払を受けること等により、債権を回収する手続です。取り決めた婚姻費用分担金の全額の支払を請求することができます。
なお、家庭裁判所で婚姻費用分担金の取決めをする手続等の説明については、こちらの婚姻費用の分担請求調停をご覧ください。

※養育費等の特則(将来の分の差押え(民事執行法151条の2)について)
養育費や婚姻費用分担金など、扶養に関する権利で、定期的に支払時期が来るものを請求する場合は、すでに支払日を過ぎている部分(未払分)に限らず、まだ支払日が来ていない部分(将来分)についても差押えを申し立てることができます。ただし、将来分について差し押さえることができる財産は、債務者の給料や家賃収入などの継続的に支払われる金銭で、その支払時期が婚姻費用分担金などの支払日よりも後に来るものとなります。
なお、預金債権などを差し押さえる場合には、未払分に限って差押えを申し立てることができます。

申立先

原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。
申立先の裁判所を調べたい場合は、「申立書提出先一覧(地方裁判所)」をご覧ください。

申立てに必要な費用

手数料(原則として4000円)及び郵便料
※郵便料は裁判所ごとに異なります。申立先の裁判所で必要な郵便料については、「各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧」をご確認ください。
なお、本件手続は「地方裁判所」の手続ですので、各地の裁判所のサイトで郵便料を確認される際は「地方裁判所」ボタンをクリックしてください。

申立てに必要な書類

1 申立書(申立書頭書、当事者目録、請求債権目録、差押債権目録)
本項目末の書式のダウンロード「債権執行手続(養育費等に基づく差押え)で使う書式」から書式をダウンロードして作成してください。
第三債務者の送達場所に関する一般社団法人全国地方銀行協会からのお知らせ
2 執行力のある債務名義の正本
強制執行の申立てをするためには、債務名義の正本が必要です(謄本では強制執行はできません。)。また、執行文が必要なものについては執行文(「債権者○○は債務者××に対し、この債務名義により強制執行することができる。」等と書かれた裁判所書記官又は公証人作成の書類)が付いているかどうかを確認してください(通常は最終ページにあります。)。債務名義正本や確定証明書の発行、執行文の付与は、債務名義を作成した家庭裁判所や公証役場で行いますので、申請書の書式や必要書類についてご不明な点は、債務名義を作成した家庭裁判所や公証役場にご確認ください。
債務名義の例とそれぞれについての執行文の要否は、以下のとおりです。
(1) 家事調停調書正本
執行文は不要です。ただし、婚姻費用分担金や養育費だけでなく、解決金や慰謝料分も合わせて請求するときは、執行文が必要になります。
(2) 家事審判書正本
執行文は不要ですが、確定証明書が必要になります。
(3) 公正証書正本
執行文が必要です。執行文の種類などの詳細は公正証書を作成した公証役場にお問い合わせください。
(4) その他(判決正本、和解調書正本)
執行文が必要です。
3 送達証明書
債務名義の正本又は謄本が債務者に送達されたことの証明書です。この証明書がないと強制執行ができません。この証明書は、債務名義を作成した家庭裁判所や公証役場で発行します。
4 資格証明書
第三債務者(給与債権の場合は、債務者に給与を支払う雇用主を指します。)が会社などの法人の場合、申立日から3か月以内に発行されたその法人の商業登記事項証明書(代表者事項証明書)が必要です。法務局で発行されますので、お近くの法務局にお問い合わせください。
5 当事者の住所・氏名に変更がある場合の必要書類
債権者又は債務者の住所・氏名が債務名義上の住所・氏名と異なっている場合(転居、婚姻による改姓の場合等)は、債務名義上の住所・氏名から現在の住所・氏名までの経過(つながり)を明らかにするための公文書(住民票、戸籍謄本、戸籍の附票等。現在の住所・氏名について証明するための公文書は、申立日から3か月以内に発行されたもの)が必要です。住民票を異動させていない場合など、つながりを明らかにできないときは、申立先の裁判所にあらかじめお問い合わせください。

手続の流れ

1 申立て
申し立てる裁判所は、原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。
差押えの対象となる債権が現実に存在するかどうか、存在するとしてその額等を知りたい場合には、陳述催告の申立て(第三債務者に対して、差押債権の有無などにつき回答を求める申立て)をすることができます。陳述催告の申立ては、債権差押命令申立てと同時にしてください。(※申立書にチェック欄があります。)
2 差押命令
裁判所は、債権差押命令の要件を満たすことが確認できたときは、差押命令を発し、債務者と第三債務者に送達します。
3 差押え
差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が生じます。差押えの範囲は給与差押えの場合、債務者の給与から税金等を除いた手取額の2分の1(月給から税金等を除いた手取額で66万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
※給与差押えの場合には、養育費等債権者は貸金等の一般債権者に比べ、差押えの範囲が広くなっており、一般債権(解決金、慰謝料等)の差押えの場合には、債務者の給与から税金等を除いた手取額の4分の1(月給から税金等を除いた手取額で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
4 取立て(又は配当)
債権差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過したときは、債権者はその債権を自ら取り立てることができます。第三債務者から支払を受けたときには、取立(完了)届を作成して、直ちにその旨を裁判所に届け出てください。
ただし、第三債務者が差押えの効力が生じた金銭を供託(金銭などを法務局に提出する手続)した場合は、裁判所が配当等を行うので、直接取り立てることはできません。その場合は、裁判所から配当等の手続の案内を行います。

以下の裁判所は、この手続について個別にご案内する事項があります。
詳しくは各裁判所のサイトをご確認ください。
東京 横浜 大阪

書式のダウンロード

申立てに必要な書式及びその他この手続に関連する書式のダウンロード

債権執行手続のQ&A

④婚姻費用分担金に基づく担保権実行

概要

父母の間での合意、調停調書や公正証書などで取り決めた婚姻費用分担金(子の監護に要する費用を含んで合意した場合に限られます。)が支払われない場合に、債務者の給料や銀行預金等を差し押さえ、債権者が債務者の勤務先や銀行等から支払を受けること等により、債権を回収する手続です。
この差押えは、法務省令で定められた額(先取特権が付与される具体的な額は、月額8万円に子の数を乗じた額)を上限として、一般債権者に優先して回収することができます。
なお、令和8年4月1日以降に発生した婚姻費用分担金に限って差押えの申立てをすることができます。
おって、調停調書や公正証書などで婚姻費用分担金を取り決め、その額が月額8万円に子の数を乗じた額を超える場合、その全額を債務名義に基づく強制執行の申立てをして請求することが可能です。
また、婚姻費用分担金に基づく担保権実行と同時に債務名義に基づく強制執行の申立てをすることも可能です。
家庭裁判所で婚姻費用分担金の取決めをする調停手続の説明については、こちらの婚姻費用の分担請求調停をご覧ください。

※養育費等の特則(将来の分の差押え(民事執行法151条の2)について)
養育費や婚姻費用分担金など、扶養義務等に基づく権利で、定期的に支払時期が来るものを請求する場合は、すでに支払日を過ぎている部分(未払分)に限らず、まだ支払日が来ていない部分(将来分)についても差押えを申し立てることができます。ただし、将来分について差し押さえることができる財産は、債務者の給料や家賃収入などの継続的に支払われる金銭で、その支払時期が婚姻費用分担金などの支払日よりも後に来るものとなります。
なお、預金債権などを差し押さえる場合には、未払分に限って差押えを申し立てることができます。

申立先

原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。
申立先の裁判所を調べたい場合は、「申立書提出先一覧(地方裁判所)」をご覧ください。

申立てに必要な費用

手数料(原則として4000円)及び郵便料
※郵便料は裁判所ごとに異なります。申立先の裁判所で必要な郵便料については、「各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧」をご確認ください。
なお、本件手続は「地方裁判所」の手続ですので、各地の裁判所のサイトで郵便料を確認される際は「地方裁判所」ボタンをクリックしてください。

申立てに必要な書類

1 申立書(申立書頭書、当事者目録、担保権・被担保債権・請求債権目録、差押債権目録)
本項目末の書式のダウンロード「債権執行手続(養育費等に基づく差押え)で使う書式」から書式をダウンロードして作成してください。
第三債務者の送達場所に関する一般社団法人全国地方銀行協会からのお知らせ
2 担保権を証する文書
担保権実行の申立てをするためには、担保権を証する文書が必要です。担保権を証する文書としては、以下の(1)~(5)の文書(いずれか)が考えられます。
証明書等の発行は、文書を作成した家庭裁判所や公証役場で行いますので、申請書の様式や必要書類についてご不明な点は、家庭裁判所や公証役場にお尋ねください。
(1) 家事調停調書正本又は謄本
婚姻費用分担金や養育費だけでなく、解決金や慰謝料分も合わせて請求するときは、債務名義に基づく強制執行の申立ても必要になります。
(2) 家事審判書正本又は謄本
執行文は不要ですが、確定証明書が必要になります。
※執行文とは、「債権者○○は債務者××に対し、この債務名義により強制執行することができる。」等と書かれた裁判所書記官又は公証人作成の書類のことです。
(3) 公正証書正本又は謄本
婚姻費用分担金や養育費だけでなく、解決金や慰謝料分も合わせて請求するときは、債務名義に基づく強制執行の申立ても必要になります。
(4) その他(判決正本又は謄本、和解調書正本又は謄本)
執行文が付与されていない人事訴訟判決の場合には、確定証明書が必要です。
(5) 父母の間の合意書面
合意書面を「担保権を証する文書」として提出してください。裁判所から当該文書が作成者とされる者の意思に基づいて作成されたことを証明する資料の追加を求める場合があります。
3 資格証明書
第三債務者(給与債権の場合は、債務者に給与を支払う雇用主を指します。)が会社などの法人の場合、申立日から3か月以内に発行されたその法人の商業登記事項証明書(代表者事項証明書)が必要です。法務局で発行されますので、お近くの法務局にお問い合わせください。
4 当事者の住所・氏名に変更がある場合の必要書類
債権者又は債務者の住所・氏名が、担保権を証する文書上の住所・氏名と異なっている場合(転居、婚姻による改姓の場合等)は、担保権を証する文書を作成した時点の住所・氏名から現在の住所・氏名までの経過(つながり)を明らかにするための公文書(住民票、戸籍謄本、戸籍の附票等。現在の住所・氏名について証明するための公文書は、申立日から3か月以内に発行されたもの)が必要です。住民票を異動させていない場合など、つながりを明らかにできないときは、申立先の裁判所にあらかじめお問い合わせください。

手続の流れ

1 申立て
申し立てる裁判所は、原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。
差押えの対象となる債権が現実に存在するかどうか、存在するとしてその額等を知りたい場合には、陳述催告の申立て(第三債務者に対して、差押債権の有無などにつき回答を求める申立て)をすることができます。陳述催告の申立ては、債権差押命令申立てと同時にしてください。(※申立書にチェック欄があります。)
2 差押命令
裁判所は、債権差押命令の要件を満たすことが確認できたときは、差押命令を発し、債務者と第三債務者に送達します。
3 差押え
差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が生じます。差押えの範囲は給与差押えの場合、債務者の給与から税金等を除いた手取額の2分の1(月給から税金等を除いた手取額で66万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
※給与差押えの場合には、養育費等債権者は貸金等の一般債権者に比べ、差押えの範囲が広くなっており、一般債権(解決金、慰謝料等)の差押えの場合には、債務者の給与から税金等を除いた手取額の4分の1(月給から税金等を除いた手取額で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
4 取立て(又は配当)
給与債権の場合には、債権差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過したときは、債権者はその債権を自ら取り立てることができます。
第三債務者から支払を受けたときには、取立(完了)届を作成して、直ちにその旨を裁判所に届け出てください。
ただし、第三債務者が差押えの効力が生じた金銭を供託(金銭などを法務局に提出する手続)した場合は、裁判所が配当等を行うので、直接取り立てることはできません。その場合は、裁判所から配当等の手続の案内を行います。

以下の裁判所は、この手続について個別にご案内する事項があります。
詳しくは各裁判所のサイトをご確認ください。
東京 横浜 大阪

書式のダウンロード

申立てに必要な書式及びその他この手続に関連する書式のダウンロード

債権執行手続のQ&A

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