養育費等のワンストップ執行手続(財産開示)
目次
- 概要
- ①債務名義に基づく強制執行(ワンストップ執行手続)
- ②形成養育費に基づく担保権実行(ワンストップ執行手続)
- ③法定養育費に基づく担保権実行(ワンストップ執行手続)
- ④婚姻費用分担金に基づく担保権実行(ワンストップ執行手続)
➀から➃までの手続のうち、どの手続を利用できるか分からない場合は、こちらの「債権執行等(養育費等に基づく差押え)」ページに進み、案内に従って手続案内フロー図1を利用してください。
概要
■養育費等のワンストップ執行手続(財産開示)
養育費等のワンストップ執行手続(財産開示)とは、養育費又は婚姻費用分担金(以下「養育費等」という。)の扶養義務等に係る定期金債権に基づいて、財産開示手続の申立てをした場合に、それらの申立てと同時に債務者が開示した給与債権に対する差押命令の申立てをしたものとみなされる手続です。
給与債権に対する差押命令の申立てを同時に行わずに、財産開示手続の申立てをしたい場合は、財産開示のページをご覧ください。

■差押えの手続の種類
ワンストップ執行手続において、同時に申し立てたとみなされる養育費又は婚姻費用分担金に基づく差押えの手続には、以下の①~④があります。
①債務名義に基づく強制執行
調停調書や公正証書などで取り決めた養育費が支払われない場合に、債務者の給与や銀行預金等を差し押さえ、債権者が債務者の勤務先や銀行等から支払を受けること等により、債権を回収する手続です。取り決めた養育費の全額の差押えの申立てをすることができます。
②形成養育費に基づく担保権実行
父母の間での合意、調停調書や公正証書などで取り決めた養育費(形成養育費)が支払われない場合に、債務者の給与や銀行預金等を差し押さえ、債権者が債務者の勤務先や銀行等から支払を受けること等により、債権を回収する手続です。この差押えは、法務省令で定められた額(月額8万円に子の数を乗じた額)を上限として先取特権が付与され、一般債権者に優先して回収することができます。
なお、令和8年4月1日以降に発生した養育費に限って差押えの申立てをすることができます。
③法定養育費に基づく担保権実行
父母が子の養育費の取決めをせずに令和8年4月1日以降に離婚をした場合、離婚時から引き続き子を監護する父母の一方が他の一方に、子の養育費として、法務省令で定めるところにより算定した額(月額2万円に子の数を乗じた額)を請求することができます。
法定養育費は、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをするまでの暫定的なものです。父母の間での合意、調停調書や公正証書により、養育費(形成養育費)の取決めを行う際の詳細は養育費請求調停を参照してください。
④婚姻費用分担金に基づく担保権実行
父母の間での合意、調停調書や公正証書などで取り決めた婚姻費用分担金(子の監護に要する費用を含んで婚姻費用分担金の支払に合意した場合に限られます。) が支払われない場合に、債務者の給料や銀行預金等を差し押さえ、債権者が債務者の勤務先や銀行等から支払を受けること等により、債権を回収する手続です。この差押えは、法務省令で定められた額(月額8万円に子の数を乗じた額)を上限として先取特権が付与され、一般債権者に優先して回収することができます。
なお、令和8年4月1日以降に発生した婚姻費用分担金に限って差押えの申立てをすることができます。
■手続に関する主な用語説明
〇債務名義
強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在、範囲、債権者、債務者を表示した公の文書のことです。強制執行を行うには、この債務名義が必要です。
債務名義の例としては、以下のものがあります。
a. 確定判決
b. 仮執行宣言付判決
c. 仮執行宣言付支払督促
d. 和解調書、民事調停調書
e. 家事調停調書、家事審判書
f. 公正証書
〇形成養育費
父母間での協議や裁判所の手続で取り決められた養育費のことです。
〇法定養育費
父母が養育費の取決めをせずに離婚した場合、離婚時から引き続き子の面倒を見ている父又は母が離婚時から養育費の取決めをするか子が18歳に達するまで、相手方に月額2万円×子の数の金額を請求できる養育費のことです。
〇養育費に基づく担保権実行
法律によって特に優先的な弁済が認められている債権である養育費について、その優先権に基づき回収を図る手続をいいます。債務者が支払をしないときには、債務者の財産から、他の一般の債権者に優先して弁済を受けることができる手続です。
〇婚姻費用分担金
別居中の夫婦の間で、夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用をいいます。
〇婚姻費用分担金に基づく担保権実行
法律によって特に優先的な弁済が認められている「子の監護に要する費用」について、その優先権に基づき回収を図る手続をいいます。債務者が支払をしないときには、債務者の財産から、他の一般の債権者に優先して弁済を受けることができる手続です。
婚姻費用分担金の中に「子の監護に要する費用」が含まれていない場合には、担保権実行の手続を申し立てることはできません。
①債務名義に基づく強制執行(ワンストップ執行手続)
申立先
原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。
申立先の裁判所を調べたい場合は、「申立書提出先一覧(地方裁判所)」をご覧ください。
申立てに必要な費用
手数料 財産開示事件(原則として2000円)、差押命令事件(原則として4000円)及び郵便料
※郵便料は裁判所ごとに異なります。申立先の裁判所で必要な郵便料については、「各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧」をご確認ください。
なお、本件手続は「地方裁判所」の手続ですので、各地の裁判所のサイトで郵便料を確認される際は「地方裁判所」ボタンをクリックしてください。
※差押命令事件の手数料は、差し押さえるべき債権を特定することができたときに納付する必要があり、申立て時には納付を要しません。
※債務名義に基づく強制執行の申立てと担保権に基づく担保権実行の申立てを同時にした場合、財産開示事件は2000円、差押命令事件の手数料は8000円となります。
申立てに必要な書類
1 申立書(申立書頭書、当事者目録、請求債権目録、差押債権目録)
本項目末の書式のダウンロード「債権執行手続(養育費等に基づく差押え)で使う書式」から書式をダウンロードして作成してください。
2 執行力のある債務名義の正本
執行文が必要なものについては執行文(「債権者○○は債務者××に対し、この債務名義により強制執行することができる。」等と書かれた裁判所書記官又は公証人作成の書類)が付いているかどうかを確認してください(通常は最終ページにあります。)。債務名義正本や確定証明書の発行、執行文の付与は、債務名義を作成した家庭裁判所や公証役場で行います。
債務名義の例とそれぞれについての執行文の要否は、以下のとおりです。
(1) 家事調停調書正本
執行文は不要です。ただし、養育費や婚姻費用分担金だけでなく、解決金や慰謝料分も合わせて請求するときは、執行文が必要になります。
(2) 家事審判書正本
執行文は不要ですが、確定証明書が必要になります。
(3) 公正証書正本
執行文が必要です。執行文の種類などの詳細は公正証書を作成した公証役場にお問い合わせください。
(4) その他(判決正本、和解調書正本)
執行文が必要です。
3 送達証明書
債務名義の正本又は謄本が債務者に送達されたことの証明書です。この証明書がないと強制執行ができません。この証明書は、債務名義を作成した家庭裁判所や公証役場で発行します。
4 証拠書類
(1) 民事執行法197条1項1号又は2項1号の要件を証明する文書(1号申立ての場合)
配当表写し、弁済金交付計算書写し、不動産競売開始決定写し、債権差押命令写し、配当期日呼出状写しなど
(2) 民事執行法197条1項2号又は2項2号の要件を疎明する文書(2号申立ての場合)
財産調査結果報告書及び添付資料
(3) 民事執行法197条3項の要件を証する文書(必要な場合)
※各要件と証拠書類についてはQ&Aをご覧ください。
5 債務者の住民票の写し(申立日から3か月以内に発行されたもの)
6 当事者の住所・氏名に変更がある場合の必要書類
債権者又は債務者の住所・氏名が債務名義上の住所・氏名と異なっている場合(転居、婚姻による改姓の場合等)は、債務名義上の住所・氏名から現在の住所・氏名までの経過(つながり)を明らかにするための公文書(住民票、戸籍謄本、戸籍の附票等。現在の住所・氏名について証明するための公文書は、申立日から3か月以内に発行されたもの)が必要です。住民票を異動させていない場合など、つながりを明らかにできないときは、申立先の裁判所にあらかじめお問い合わせください。
手続の流れ
1 裁判所は、財産開示手続の実施決定の要件を満たすことが確認できたときは、実施決定をし、決定を債務者に送達します。
2 債務者への送達から1週間を経過したときは、実施決定が確定します。
3 実施決定が確定したら、財産開示期日とともに、債務者(開示義務者)の財産目録提出期限が指定されます。
4 提出された財産目録は、民事執行法201条に掲げられた者に限り、財産開示期日前においても閲覧、謄写することができます。
※開示義務者が財産目録を提出した後は、債務者の同意がない限り、財産開示手続申立事件を取り下げることはできません(民事執行法20条、民事訴訟法261条2項)。
5 申立人(申立人が法人の場合は代表者)、同代理人弁護士、同許可代理人は、財産開示期日に出頭し、執行裁判所の許可を得て、開示義務者に対し質問することができます(民事執行法199条4項)が、探索的な質問や債務者を困惑させる質問は許可されません。
6 財産開示の有無について
(1) 財産の開示がなかった場合、情報提供命令が発令されます。情報提供命令正本の送付を受けた第三者(市区町村)は、執行裁判所に対し、債務者の財産情報(給与債権に係る情報)を書面で提供します。それにより、差し押さえるべき債権が判明した場合は、差押命令手続に進みます。差し押さえるべき債権がなお不明であった場合は、ワンストップ執行手続は終了となります。
(2) 財産の開示があった場合、次の差押命令手続に進みます。
7 差押命令の審査について
情報提供命令で提供された債権又は財産開示手続で開示された債権から、差し押さえるべき債権を特定できない場合、裁判所は、債権者に対し、特定に必要な事項の申出をすべきことを命ずる申出命令を発します。債権者が必要な事項の申出を行い、差し押さえるべき債権を特定できた場合は、次の差押命令に進みますが、必要な事項の申出がされない場合、差押命令事件の申立てを取下げたものとみなされます。
8 差押命令
裁判所が差押命令を発し、債務者と第三債務者(給与債権の場合は、債務者に給与を支払う雇用主を指します。)に送達します。
9 差押え
差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が生じます。差押えの範囲は給与差押えの場合、債務者の給与から税金等を除いた手取額の2分の1(月給から税金等を除いた手取額で66万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
※給料差押えの場合には、養育費等債権者は貸金等の一般債権者に比べ、差押えの範囲が広くなっており、一般債権(解決金、慰謝料等)の差押えの場合には、債務者の給与から税金等を除いた手取額の4分の1(月給から税金等を除いた手取額で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
10 取立て(又は配当)
債権差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過したときは、債権者はその債権を自ら取り立てることができます。第三債務者から支払を受けたときには、取立(完了)届を作成して、直ちにその旨を裁判所に届け出てください。
ただし、第三債務者が差押えの効力が生じた金銭を供託(金銭などを法務局に提出する手続)した場合は、裁判所が配当等を行うので、直接取り立てることはできません。その場合は、裁判所から配当等の手続の案内を行います。
書式のダウンロード
申立てに必要な書式及びその他この手続に関連する書式のダウンロード
債権執行手続のQ&A
②形成養育費に基づく担保権実行(ワンストップ執行手続)
申立先
原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。
申立先の裁判所を調べたい場合は、「申立書提出先一覧(地方裁判所)」をご覧ください。
申立てに必要な費用
手数料 財産開示事件(原則として2000円)、差押命令事件(原則として4000円)及び郵便料
※郵便料は裁判所ごとに異なります。申立先の裁判所で必要な郵便料については、「各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧」をご確認ください。
なお、本件手続は「地方裁判所」の手続ですので、各地の裁判所のサイトで郵便料を確認される際は「地方裁判所」ボタンをクリックしてください。
※差押命令事件の手数料は、差し押さえるべき債権を特定することができたときに納付する必要があり、申立て時には納付を要しません。
※債務名義に基づく強制執行の申立てと担保権に基づく担保権実行の申立てを同時にした場合、財産開示事件は2000円、差押命令事件の手数料は8000円となります。
申立てに必要な書類
1 申立書(申立書頭書、当事者目録、担保権・被担保債権・請求債権目録、差押債権目録)
本項目末の書式のダウンロード「債権執行手続(養育費等に基づく差押え)で使う書式」から書式をダウンロードして作成してください。
2 担保権を証する文書
形成養育費に基づく担保権実行の申立てをするためには、担保権を証する文書が必要です。担保権を証する文書としては、以下の(1)~(5)の文書(いずれか)が考えられます。
証明書等の発行は、文書を作成した家庭裁判所や公証役場で行いますので、申請書の様式や必要書類についてご不明な点は、家庭裁判所や公証役場にお尋ねください。
(1) 家事調停調書正本又は謄本
養育費だけでなく、解決金や慰謝料分も合わせて請求するときは、債務名義に基づく強制執行の申立ても必要になります。
(2) 家事審判書正本又は謄本
執行文は不要ですが、確定証明書が必要になります。
※執行文とは、「債権者○○は債務者××に対し、この債務名義により強制執行することができる。」等と書かれた裁判所書記官又は公証人作成の書類のことです。
(3) 公正証書正本又は謄本
養育費だけでなく、解決金や慰謝料分も合わせて請求するときは、債務名義に基づく強制執行の申立ても必要になります。
(4) その他(判決正本又は謄本、和解調書正本又は謄本)
執行文が付与されていない人事訴訟判決の場合には、確定証明書が必要です。
(5) 父母の間の合意書面
合意書面を「担保権を証する文書」として提出してください。裁判所から当該文書が作成者とされる者の意思に基づいて作成されたことを証明する資料の追加を求める場合があります。
3 証拠書類
(1) 民事執行法197条1項1号又は2項1号の要件を証明する文書(1号申立ての場合)
配当表写し、弁済金交付計算書写し、不動産競売開始決定写し、債権差押命令写し、配当期日呼出状写しなど
(2) 民事執行法197条1項2号又は2項2号の要件を疎明する文書(2号申立ての場合)
財産調査結果報告書及び添付資料
(3) 民事執行法197条3項の要件を証する文書(必要な場合)
※各要件と証拠書類についてはQ&Aをご覧ください。
4 債務者の住民票の写し(申立日から3か月以内に発行されたもの)
5 当事者の住所・氏名に変更がある場合の必要書類
債権者又は債務者の住所・氏名が、担保権を証する文書上の住所・氏名と異なっている場合(転居、婚姻による改姓の場合等)は、担保権を証する文書を作成した時点の住所・氏名から現在の住所・氏名までの経過(つながり)を明らかにするための公文書(住民票、戸籍謄本、戸籍の附票等。現在の住所・氏名について証明するための公文書は、申立日から3か月以内に発行されたもの)が必要です。住民票を異動させていない場合など、つながりを明らかにできないときは、申立先の裁判所にあらかじめお問い合わせください。
手続の流れ
1 裁判所は、財産開示手続の実施決定の要件を満たすことが確認できたときは、実施決定をし、決定を債務者に送達します。
2 債務者への送達から1週間を経過したときは、実施決定が確定します。
3 実施決定が確定したら、財産開示期日とともに、債務者(開示義務者)の財産目録提出期限が指定されます。
4 提出された財産目録は、民事執行法201条に掲げられた者に限り、財産開示期日前においても閲覧、謄写することができます。
※開示義務者が財産目録を提出した後は、債務者の同意がない限り、財産開示手続申立事件を取り下げることはできません(民事執行法20条、民事訴訟法261条2項)。
5 申立人(申立人が法人の場合は代表者)、同代理人弁護士、同許可代理人は、財産開示期日に出頭し、執行裁判所の許可を得て、開示義務者に対し質問することができます(民事執行法199条4項)が、探索的な質問や債務者を困惑させる質問は許可されません。
6 財産開示の有無について
(1) 財産の開示がなかった場合、情報提供命令が発令されます。情報提供命令正本の送付を受けた第三者(市区町村)は、執行裁判所に対し、債務者の財産情報(給与債権)を書面で提供します。それにより、差し押さえるべき債権が判明した場合は、差押命令手続に進みます。差し押さえるべき債権がなお不明であった場合は、ワンストップ執行手続は終了となります。
(2) 財産の開示があった場合、次の差押命令手続に進みます。
7 差押命令の審査について
情報提供命令で提供された債権又は財産開示手続で開示された債権から、差し押さえるべき債権を特定できない場合、裁判所は、債権者に対し、特定に必要な事項の申出をすべきことを命ずる申出命令を発します。債権者が必要な事項の申出を行い、差し押さえるべき債権を特定できた場合は、次の差押命令に進みますが、必要な事項の申出がされない場合、差押命令事件の申立てを取下げたものとみなされます。
8 差押命令
裁判所が差押命令を発し、債務者と第三債務者(給与債権の場合は、債務者に給与を支払う雇用主を指します。)に送達します。
9 差押え
差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が生じます。差押えの範囲は給与差押えの場合、債務者の給与から税金等を除いた手取額の2分の1(月給から税金等を除いた手取額で66万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
※給与差押えの場合には、養育費等債権者は貸金等の一般債権者に比べ、差押えの範囲が広くなっており、一般債権(解決金、慰謝料等)の差押えの場合には、債務者の給与から税金等を除いた手取額の4分の1(月給から税金等を除いた手取額で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
10 取立て(又は配当)
給与債権の場合には、債権差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過したときは、債権者はその債権を自ら取り立てることができます。第三債務者から支払を受けたときには、取立(完了)届を作成して、直ちにその旨を裁判所に届け出てください。
ただし、第三債務者が差押えの効力が生じた金銭を供託(金銭などを法務局に提出する手続)した場合は、裁判所が配当等を行うので、直接取り立てることはできません。その場合は、裁判所から配当等の手続の案内を行います。
書式のダウンロード
申立てに必要な書式及びその他この手続に関連する書式のダウンロード
債権執行手続のQ&A
③法定養育費に基づく担保権実行(ワンストップ執行手続)
申立先
原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。
申立先の裁判所を調べたい場合は、「申立書提出先一覧(地方裁判所)」をご覧ください。
申立てに必要な費用
手数料 財産開示事件(原則として2000円)、差押命令事件(原則として4000円)及び郵便料
※郵便料は裁判所ごとに異なります。申立先の裁判所で必要な郵便料については、「各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧」をご確認ください。
なお、本件手続は「地方裁判所」の手続ですので、各地の裁判所のサイトで郵便料を確認される際は「地方裁判所」ボタンをクリックしてください。
※差押命令事件の手数料は、差し押さえるべき債権を特定することができたときに納付する必要があり、申立て時には納付を要しません。
※債務名義に基づく強制執行申立てと担保権に基づく担保権実行の申立てを同時にした場合、財産開示事件は2000円、差押命令事件の手数料は8000円となります。
申立てに必要な書類
1 申立書(申立書頭書、当事者目録、担保権・被担保債権・請求債権目録、差押債権目録)
本項目末の書式のダウンロード「債権執行手続(養育費等に基づく差押え)で使う書式」から書式をダウンロードして作成してください。
2 担保権を証する文書
法定養育費の発生原因事実を証明するため以下の資料の提出が必要となります。
(1) 債権者及び子の戸籍謄本(全部事項証明書)(申立日から3か月以内に発行されたもの)
債権者と債務者が離婚等をしたこと、債権者と債務者の間に(未成年の)子がいることを証明するために必要となります。
(2) 子を含む世帯全員の住民票の写し(申立日から3か月以内に発行されたもの)
債権者が離婚の時から引き続きその子の監護を主として行っていることを証明するために必要となります。住民票上、債権者と子が離婚の時から継続して同居していることが判然としない場合、債権者はその他の資料によって離婚の時から引き続きその子の監護を主として行っていることを証明する必要があります。
3 証拠書類
(1) 民事執行法197条1項1号又は2項1号の要件を証明する文書(1号申立ての場合)
配当表写し、弁済金交付計算書写し、不動産競売開始決定写し、債権差押命令写し、配当期日呼出状写しなど
(2) 民事執行法197条1項2号又は2項2号の要件を疎明する文書(2号申立ての場合)
財産調査結果報告書及び添付資料
(3) 民事執行法197条3項の要件を証する文書(必要な場合)
※各要件と証拠書類についてはQ&Aをご覧ください。
4 債務者の住民票の写し(申立日から3か月以内に発行されたもの)
5 当事者の氏名に変更がある場合の必要書類
離婚後に債権者又は債務者が氏名を変更している場合には、公文書によって離婚時の氏名から現在の氏名までの経過(つながり)を明らかにする必要があります。
手続の流れ
1 裁判所は、財産開示手続の実施決定の要件を満たすことが確認できたときは、実施決定をし、決定を債務者に送達します。
2 債務者への送達から1週間を経過したときは、実施決定が確定します。
3 実施決定が確定したら、財産開示期日とともに、債務者(開示義務者)の財産目録提出期限が指定されます。
4 提出された財産目録は、民事執行法201条に掲げられた者に限り、財産開示期日前においても閲覧、謄写することができます。
※開示義務者が財産目録を提出した後は、債務者の同意がない限り、財産開示手続申立事件を取り下げることはできません(民事執行法20条、民事訴訟法261条2項)。
5 申立人(申立人が法人の場合は代表者)、同代理人弁護士、同許可代理人は、財産開示期日に出頭し、執行裁判所の許可を得て、開示義務者に対し質問することができます(民事執行法199条4項)が、探索的な質問や債務者を困惑させる質問は許可されません。
6 財産開示の有無について
(1)財産の開示がなかった場合、情報提供命令が発令されます。情報提供命令正本の送付を受けた第三者(市区町村)は、執行裁判所に対し、債務者の財産情報(給与債権)を書面で提供します。それにより、差し押さえるべき債権が判明した場合は、差押命令手続に進みます。差し押さえるべき債権がなお不明であった場合は、ワンストップ執行手続は終了となります。
(2)財産の開示があった場合、次の差押命令手続に進みます。
7 差押命令の審査について
情報提供命令で提供された債権又は財産開示手続で開示された債権から、差し押さえるべき債権を特定できない場合、裁判所は、債権者に対し、特定に必要な事項の申出をすべきことを命ずる申出命令を発します。債権者が必要な事項の申出を行い、差し押さえるべき債権を特定できた場合は、次の差押命令に進みますが、必要な事項の申出がされない場合、差押命令事件の申立てを取下げたものとみなされます。
8 差押命令
裁判所が差押命令を発し、債務者と第三債務者(給与債権の場合は、債務者に給与を支払う雇用主を指します。)に送達します。
9 差押え
差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が生じます。差押えの範囲は給与差押えの場合、債務者の給与から税金等を除いた手取額の2分の1(月給から税金等を除いた手取額で66万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
※給与差押えの場合には、養育費等債権者は貸金等の一般債権者に比べ、差押えの範囲が広くなっており、一般債権(解決金、慰謝料等)の差押えの場合には、債務者の給与から税金等を除いた手取額の4分の1(月給から税金等を除いた手取額で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
10 取立て(又は配当)
債権差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過したときは、債権者はその債権を自ら取り立てることができます。第三債務者から支払を受けたときには、取立(完了)届を作成して、直ちにその旨を裁判所に届け出てください。
ただし、第三債務者が差押えの効力が生じた金銭を供託(金銭などを法務局に提出する手続)した場合は、裁判所が配当等を行うので、直接取り立てることはできません。その場合は、裁判所から配当等の手続の案内を行います。
書式のダウンロード
申立てに必要な書式及びその他この手続に関連する書式のダウンロード
債権執行手続のQ&A
④婚姻費用分担金に基づく担保権実行(ワンストップ執行手続)
申立先
原則として、債務者の住所地を管轄する地方裁判所です。
申立先の裁判所を調べたい場合は、「申立書提出先一覧(地方裁判所)」をご覧ください。
申立てに必要な費用
手数料 財産開示事件(原則として2000円)、差押命令事件(原則として4000円)及び郵便料
※郵便料は裁判所ごとに異なります。申立先の裁判所で必要な郵便料については、「各地の裁判所の裁判手続利用ページ一覧」をご確認ください。
なお、本件手続は「地方裁判所」の手続ですので、各地の裁判所のサイトで郵便料を確認される際は「地方裁判所」ボタンをクリックしてください。
※差押命令事件の手数料は、差し押さえるべき債権を特定することができたときに納付する必要があり、申立て時には納付を要しません。
※債務名義に基づく強制執行申立てと担保権に基づく担保権実行の申立てを同時にした場合、財産開示事件は2000円、差押命令事件の手数料は8000円となります。
申立てに必要な書類
1 申立書(申立書頭書、当事者目録、担保権・被担保債権・請求債権目録、差押債権目録)
本項目末の書式のダウンロード「債権執行手続(養育費等に基づく差押え)で使う書式」から書式をダウンロードして作成してください。
2 担保権を証する文書
婚姻費用分担金に基づく担保権実行の申立てをするためには、担保権を証する文書が必要です。担保権を証する文書としては、以下の(1)~(5)の文書(いずれか)が考えられます。
証明書等の発行は、文書を作成した家庭裁判所や公証役場で行いますので、申請書の様式や必要書類についてご不明な点は、家庭裁判所や公証役場にお尋ねください。
(1) 家事調停調書正本又は謄本
婚姻費用分担金や養育費だけでなく、解決金や慰謝料分も合わせて請求するときは、債務名義に基づく強制執行の申立ても必要になります。
(2) 家事審判書正本又は謄本
執行文は不要ですが、確定証明書が必要になります。
※執行文:「債権者○○は債務者××に対し、この債務名義により強制執行することができる。」等と書かれた裁判所書記官又は公証人作成の書類
(3) 公正証書正本又は謄本
婚姻費用分担金だけでなく、解決金や慰謝料分も合わせて請求するときは、債務名義に基づく強制執行の申立ても必要になります。
(4) その他(判決正本又は謄本、和解調書正本又は謄本)
執行文が付与されていない人事訴訟判決の場合には、確定証明書が必要です。
(5) 父母の間の合意書面
合意書面を「担保権を証する文書」として提出してください。裁判所から当該文書が作成者とされる者の意思に基づいて作成されたことを証明する資料の追加を求める場合があります。
3 証拠書類
(1) 民事執行法197条1項1号又は2項1号の要件を証明する文書(1号申立ての場合)
配当表写し、弁済金交付計算書写し、不動産競売開始決定写し、債権差押命令写し、配当期日呼出状写しなど
(2) 民事執行法197条1項2号又は2項2号の要件を疎明する文書(2号申立ての場合)
財産調査結果報告書及び添付資料
(3) 民事執行法197条3項の要件を証する文書(必要な場合)
※各要件と証拠書類についてはQ&Aをご覧ください。
4 債務者の住民票の写し(申立日から3か月以内に発行されたもの)
5 当事者の住所・氏名に変更がある場合の必要書類
債権者又は債務者の住所・氏名が、担保権を証する文書上の住所・氏名と異なっている場合(転居、婚姻による改姓の場合等)は、担保権を証する文書を作成した時点の住所・氏名から現在の住所・氏名までの経過(つながり)を明らかにするための公文書(住民票、戸籍謄本、戸籍の附票等。現在の住所・氏名について証明するための公文書は、申立日から3か月以内に発行されたもの)が必要です。住民票を異動させていない場合など、つながりを明らかにできないときは、申立先の裁判所にあらかじめお問い合わせください。
手続の流れ
1 裁判所は、財産開示手続の実施決定の要件を満たすことが確認できたときは、実施決定をし、決定を債務者に送達します。
2 債務者への送達から1週間を経過したときは、実施決定が確定します。
3 実施決定が確定したら、財産開示期日とともに、債務者(開示義務者)の財産目録提出期限が指定されます。
4 提出された財産目録は、民事執行法201条に掲げられた者に限り、財産開示期日前においても閲覧、謄写することができます。
※開示義務者が財産目録を提出した後は、債務者の同意がない限り、財産開示手続申立事件を取り下げることはできません(民事執行法20条、民事訴訟法261条2項)。
5 申立人(申立人が法人の場合は代表者)、同代理人弁護士、同許可代理人は、財産開示期日に出頭し、執行裁判所の許可を得て、開示義務者に対し質問することができます(民事執行法199条4項)が、探索的な質問や債務者を困惑させる質問は許可されません。
6 財産開示の有無について
(1) 財産の開示がなかった場合、情報提供命令が発令されます。情報提供命令正本の送付を受けた第三者(市区町村)は、執行裁判所に対し、債務者の財産情報(給与債権)を書面で提供します。それにより、差し押さえるべき債権が判明した場合は、差押命令手続に進みます。差し押さえるべき債権がなお不明であった場合は、ワンストップ執行手続は終了となります。
(2) 財産の開示があった場合、次の差押命令手続に進みます。
7 差押命令の審査について
情報提供命令で提供された債権又は財産開示手続で開示された債権から、差し押さえるべき債権を特定できない場合、裁判所は、債権者に対し、特定に必要な事項の申出をすべきことを命ずる申出命令を発します。債権者が必要な事項の申出を行い、差し押さえるべき債権を特定できた場合は、次の差押命令に進みますが、必要な事項の申出がされない場合、差押命令事件の申立てを取下げたものとみなされます。
8 差押命令
裁判所が差押命令を発し、債務者と第三債務者(給与債権の場合は、債務者に給与を支払う雇用主を指します。)に送達します。
9 差押え
差押命令が第三債務者に送達されると、差押えの効力が生じます。差押えの範囲は給与差押えの場合、債務者の給与から税金等を除いた手取額の2分の1(月給から税金等を除いた手取額で66万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
※給与差押えの場合には、養育費等債権者は貸金等の一般債権者に比べ、差押えの範囲が広くなっており、一般債権(解決金、慰謝料等)の差押えの場合には、債務者の給与から税金等を除いた手取額の4分の1(月給から税金等を除いた手取額で44万円を超える場合には、33万円を除いた金額)が上限となります。
10 取立て(又は配当)
給与債権の場合には、債権差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過したときは、債権者はその債権を自ら取り立てることができます。第三債務者から支払を受けたときには、取立(完了)届を作成して、直ちにその旨を裁判所に届け出てください。
ただし、第三債務者が差押えの効力が生じた金銭を供託(金銭などを法務局に提出する手続)した場合は、裁判所が配当等を行うので、直接取り立てることはできません。その場合は、裁判所から配当等の手続の案内を行います。