司法修習の概要

1. 司法修習の特徴

 司法修習では、経験豊富な実務法曹の指導によって、法律実務に即した教育を行い、実務の場で必要な知識、技法を身に付けさせています。司法修習生に、現代社会に生起する、複雑で多様化した法的事象に対処しうる汎用的な基礎力を養成することを目指します。また、国民の権利に直接関係する法曹は、プロフェッショナルとして高い倫理観と職業意識が求められます。司法修習では、法曹倫理の修得についても、重要な修習のテーマと位置付けています。
 特に、司法修習では、実務的な技法や法曹倫理を効果的に学ばせるために、先輩の法曹による個別的な指導と監督の下、司法修習生が実際の事件の取扱いを体験的に学ぶ実務修習を重視しています。実際の事件を素材とすることで、司法修習生は、事件の重大さ、法曹の責任の重さを身をもって知ることとなります。この実務修習は、法曹を養成するために不可欠の課程です。

写真:司法研修所エントランス

2. 司法修習生

 司法修習生は、司法試験に合格した者の中から、最高裁判所によって採用されます。
 司法修習生に採用されると、修習に専念すべき義務(修習専念義務)、秘密を保持する法的義務(秘密保持義務)を負います。修習専念義務は、修習期間中、司法修習生が、全力を修習のために用いてこれに専念すべきであることを課されるものです。秘密保持義務は、具体的な事件について修習することから、法曹が守秘義務を負うのと同様に、法的な義務として司法修習生に課されるものです。

3. 司法修習の流れ

 司法修習では、まず、司法研修所における導入修習を行い、その後、各実務修習地において約8か月の分野別実務修習を行います。分野別実務修習が終わると、各実務修習地における選択型実務修習及び司法研修所における集合修習をそれぞれ約2か月間行います。

図面 司法修習の流れ

(1) 導入修習

 導入修習は、司法修習開始段階で司法修習生に不足している実務基礎知識・能力に気付かせ、かつ、より効果的・効率的な分野別実務修習が円滑に行えるようにすることを目的として、司法修習開始直後に司法研修所に司法修習生全員を集めて、約1か月間実施されます。

(2) 分野別実務修習

 分野別実務修習は、全国各地の地方裁判所、地方検察庁、弁護士会という実務の第一線において、経験豊富な実務家の個別的指導の下で、実際の事件の取扱いを体験的に学ぶ修習(個別修習)が中心となります。民事裁判、刑事裁判、検察、弁護の4分野について、それぞれ2か月ずつ実施されます。
 裁判修習では、法廷を傍聴して裁判官の訴訟指揮を間近で体験したり、係属中の事件の記録や法廷でのやり取りを検討して、裁判官と判決の内容について意見交換をしたり、その事件における事実上又は法律上の問題点についての検討結果を裁判官に文書で報告して、その講評を受けたりします。
 検察修習では、実際の犯罪事件について、指導係検事等による指導の下、証拠収集、被疑者や参考人に対する取調べなどの捜査について学び、体験し、起訴・不起訴の処分について意見を述べたり、検察官の公判立会を傍聴したりします。
 弁護修習では、個別指導弁護士の下で、法律相談や法廷などに立ち会ったり、様々な法律文書を起案して講評を受けたり、弁護士会の活動を体験したりします。

(3) 選択型実務修習

 選択型実務修習は、司法修習生が、分野別実務修習の4分野を一通り修習した後に、自らの進路や興味、関心に応じて、主体的に選択、設計することにより、分野別実務修習の成果の深化と補完を図り、又は分野別実務修習の過程では体験できない領域における実務修習をするための課程です。新司法修習において初めて採り入れられた制度です。
 選択型実務修習では、分野別実務修習において弁護修習をした弁護士事務所を拠点(ホームグラウンド)とした上で、各地方裁判所、地方検察庁、弁護士会で多様な個別修習プログラムが提供されるほか、全国の司法修習生を対象とする修習プログラムも提供されます。また、司法修習生が、法曹の活動と密接な関係を有する分野について、自ら修習先を開拓して修習することもできます。

(4) 集合修習

 実務修習の体験を補完して、体系的、汎用的な実務教育を行い、法律実務のスタンダードを指導する課程で、司法研修所において2か月間実施されます。分野別実務修習の4分野を修習した後、集合修習と選択型実務修習のどちらを先に修習するかは、実務修習地ごとに異なります。
 集合修習では、民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護の5科目について行われます。クラス担任制が採られており、各クラスでは、科目ごとにそれぞれ1人の5人の教官によって、充実した指導と的確な個別指導が行われます。
 集合修習においては、実際の事件記録をアレンジした修習用の事件記録(修習記録)を使って、起案することを中心に指導が行われます。起案は、教官が添削、講評したり、司法修習生相互で討論をしたりする素材となります。
 選択型実務修習と集合修習を終えると、修習期間の最後に、司法修習生考試が実施され、これに合格すると司法修習を終え、判事補、検事又は弁護士となる資格を取得します。

4. 教官室コーナー

 教官室コーナーについては、今後更新予定です。

民事裁判科目における指導の概要や、教材「対話で進める争点整理」などを掲載しています。

(2) 刑事裁判教官室

(3) 検察教官室

教材「民事弁護実務の基礎~シナリオ民事保全・執行~」や「民事弁護実務の基礎~はじめての和解条項~」を掲載しています。

(5) 刑事弁護教官室