期限の利益の喪失について

 修習専念資金の返還の期限は新規則第7条及び新要綱第16条に、期限の利益の喪失事由については新規則第8条及び新要綱第21条に、それぞれ定められています。
※ 第70期以前の方は「修習専念資金」とあるのは「修習資金」と、「新規則」とあるのは「平成29年最高裁判所規則第4号による改正前の規則」、「新要綱」とあるのは「修習資金貸与要綱」と読み替えてください。

第1 請求により期限の利益を喪失する場合

 次のいずれかの事由に該当する場合には、最高裁判所の請求に基づき、返還未済額の全部を最高裁判所の指定する日までに返還しなければなりません。また、その場合、返還すべき日の翌日から返還の日までの期間の日数に応じ、返還すべき額につき年14.5パーセントの割合で計算した延滞利息も支払うこととなります。

  1. 年賦金を納付期限(毎年7月25日(その日が休日、日曜日又は土曜日に当たるときは、その日後において、その日に最も近い休日、日曜日又は土曜日でない日))から3月を経過してもなお返還しなかったとき。
  2. 保証人を欠いた後、相当の期間内に保証人を新たに立てなかったとき。
  3. 返還明細書を提出すべき日までに提出しなかったとき。
  4. 次の事由が生じたとき。
    (1) 変更事項の届出を相当期間怠ったとき。(変更事項の届出等について)
    (2) 被貸与者又は保証人が資産状況の調査等に応じなかったとき。
    (3) 最高裁判所(司法研修所)に提出した書類に虚偽の事実を記載したことにより修習専念資金の貸与を受けたことが判明したとき。
    (4) 自然人の保証人について新要綱第11条各号(第1号を除く。)に掲げる事由が生じた後相当の期間内に保証人を新たに立てなかったとき。
    (新要綱第11条各号:①行為能力を欠くに至ったとき。②強制執行を受けたとき。③租税その他の公課について滞納処分を受けたとき。④財産について競売の開始があったとき。⑤破産手続開始の決定又は再生手続開始の決定を受けたとき。)

第2 当然に期限の利益を喪失する場合

 次のいずれかの事由に該当する場合には、直ちに返還未済額の全部を返還しなければなりません。この場合、返還すべき日の翌日から返還の日まで年14.5パーセントの割合で計算した延滞利息も支払うことになります。

  1. 裁判所法第68条の規定により罷免されたとき。
    ただし、次の事由による罷免の場合を除きます。
    (1) 考試に不合格となったこと。
    (2) 傷病、妊娠、出産又はこれに準ずる事情があること。
     なお、上記(1)又は(2)に該当する場合であっても、次の事由に該当するに至った場合には、その時点で期限の利益を喪失します。
     ① 司法修習生への再採用を希望しないこととなったとき。
     ② (1)に該当する者が、最初に不合格となった考試の次の次の考試に係る通常修習期間の末日までに修習を終えなかったとき。
     ③ (2)に該当する者が、当該傷病等の事情を理由として罷免されるまでの修習に係る通常修習期間の開始日から5年を経過する日の属する月の初日以降に最初に開始する通常修習期間の末日までに修習を終えなかったとき。
     ④ 将来、修習を終えないことが確実であると明らかに認められるとき。
  2. 強制執行を受けたとき。
  3. 租税その他公課について滞納処分を受けたとき。
  4. 財産について競売の開始があったとき。
  5. 破産手続開始の決定又は再生手続開始の決定を受けたとき。
  6. 次の事由が生じたとき。
    (1) 被貸与者の行方が知れなくなったとき。
     被貸与者の保証人等に照会しても所在が判明しなかったときをいう。
    (2) 被貸与者が罷免後に再採用され、罷免前と再採用後のいずれも修習専念資金の貸与を受けていた場合(※)で、そのいずれかについて期限の利益を喪失したとき。
    ※ 修習専念資金の返還は、罷免前、再採用後のそれぞれについて、その修習期間が終了した月の翌月から5年を経過した年から始まります。