第三者からの情報取得手続について

第三者からの情報取得手続について

 第三者からの情報取得手続(「情報取得手続」と省略します。)は、権利実現の実効性を確保する見地から、債務者の財産に関する情報を債務者以外の第三者から提供してもらう手続です。
 第三者から入手できる情報は次の㋐~㋓です。それぞれ手続の流れが違うので注意してください(違う場合は、㋐~㋓の符号で説明しますので、この符号に注意してください。)。
 情報取得手続の申立てにより債務者の財産が見つかっても、その財産(給料や預貯金など)に対して差押の効力が及ぶわけではありません。債権を回収するためには、別途強制執行や担保権実行を行う必要があります。

㋐不動産に関する情報(「不動産情報」と省略します。)
 債務者名義の不動産(土地・建物)の所在地や家屋番号
㋑給与(勤務先)に関する情報(「勤務先情報」と省略します。)
 債務者に対する給与の支給者(債務者の勤務先)
㋒預貯金に関する情報(「預貯金情報」と省略します。)
 債務者の有する預貯金口座の情報(支店名、口座番号、額)
㋓上場株式、国債等に関する情報(「株式情報」と省略します。)
 債務者名義の上場株式・国債等の銘柄や数等

手続き流れ

(1) 申立て

 情報取得手続の申立ては、書面でしなければなりません。申立ては、債務者の住所地を管轄する地方裁判所(支部を含む。)、債務者の住所地が分からないときは、情報の提供を命じられる者(第三者)の所在地を管轄する地方裁判所(支部を含む。)にする必要があり、釧路地方裁判所管内の申し立てをする裁判所は、「2 管轄裁判所」のとおりです。
 申立書の書式例は、「9 申立書等(書式)」に掲載しています。

(2) 情報提供決定及び決定後の手続

ア 申立てが認容された場合

 (ア) ㋐不動産情報と㋑勤務先情報の申立て
a 申立書と添付書類から要件が満たされていると判断された場合、情報提供命令が発令されます。
b 債務者に対して、情報提供命令正本を送達します。債務者は1週間以内に執行抗告をすることができます(13参照)。
c bと同時に、申立人に対し、情報提供命令正本が送付されます。
d 情報提供命令が確定すると、第三者に対し、情報提供命令正本が送付されます。
e 債務名義正本等の返還は、情報提供命令確定後にできます。申立てと同時に還付申請をしていれば、原則として、債務名義正本等は最初に提出された情報提供書の写しに同封して申立人に送付されますので、強制執行の準備ができます。

 (イ) ㋒預貯金情報と㋓株式情報の申立て
a 申立書と添付書類から要件が満たされていると判断された場合、情報提供命令が発令されます。
b 第三者に対し、情報提供命令正本が送付されます。
c bと同時に、申立人に対し、情報提供命令正本が送付されます。
d 債務名義正本等は、申立てと同時に還付申請をしていれば、原則として、cの情報提供命令正本に同封して申立人に送付されますので、強制執行の準備ができます。第三者による情報提供から1か月を経過すると、順次債務者に情報提供通知が送付されますので、注意してください。

イ 申立てが却下された場合

 (ア) 申立書と添付書類から要件が満たされていないと判断された場合、申立てが却下されます。
 (イ) 申立人には却下決定正本が送達されます。

(3) 第三者からの情報提供とその通知等

ア 第三者からの情報提供
 情報提供命令正本の送付を受けた第三者は、裁判所に対し、提供を命じられた債務者の財産情報を書面で提供します。提出期限の定めはありませんが、釧路地方裁判所では、第三者に、情報提供命令正本が届いてから2週間以内に送付するよう協力を求めています。
 第三者は、情報提供書(原本)とその写しを作成し、(ア)裁判所に原本、写しとも提出するか、(イ)裁判所には原本を提出し、写しを申立人に直送します。

イ 申立人に対する情報提供書の写しの送付等
 第三者が作成した情報提供書の写しは、裁判所を経由するか、又は第三者から直接、申立人に送付されます。

ウ 債務者に対する情報提供がされた旨の通知
 第三者から裁判所に情報提供書が届くと、裁判所は、債務者に対し、情報提供命令に基づいて財産情報が提供された旨を通知します。
 通知書は、第三者から(第三者が2名以上いる場合は、最後の)情報提供書が提出された後1か月が過ぎた時点で、事件ごとに1回送付します。通知書には、情報提供命令の写しが同封されます。

 債務者の住所地を管轄する地方裁判所(支部を含む。)、債務者の住所地が分からないときは、情報の提供を命じられる者(第三者)の所在地を管轄する地方裁判所(支部を含む。)が、執行裁判所として管轄します。
 なお、釧路地方裁判所は、債務者の住所地等が釧路地方裁判所網走支部及び同根室支部の管轄区域にある情報取得手続を釧路地方裁判所本庁で処理していますので、釧路地方裁判所管内における申し立てをする裁判所は次のとおりとなります。

釧路地方裁判所管内の申立先
債務者の住所地等申立先
釧路市、釧路郡、厚岸郡、川上郡、阿寒郡、白糠郡、網走市、北見市のうち北見市常呂町、斜里郡、網走郡のうち大空町、根室市、標津郡、野付郡、目梨郡釧路地方裁判所〒085-0824北海道釧路市柏木町4番7号
帯広市、河西郡、広尾郡、十勝郡、上川郡のうち新得町、清水町、河東郡、中川郡のうち幕別町、池田町、豊頃町、本別町、足寄郡釧路地方裁判所帯広支部〒080-0808北海道帯広市東8条南9丁目1
北見市(北見市常呂町を除く。)、網走郡のうち美幌町、津別町、常呂郡、紋別郡のうち遠軽町、湧別町釧路地方裁判所北見支部〒090-0065北海道北見市寿町4丁目7-36

 1,000円(第三者の数は手数料に影響しません。)。
 1名の債権者が複数の債務名義に基づいて申立てをする場合も債務者が1名であれば1個の申立てとなります。
 債権者が数名の場合は、債務名義が1通であっても数個の申立てとなるため、人数分の申立手数料が必要となります。
 同一の債務名義に複数の債務者が記載されている場合は、情報取得手続の性質上、債務者ごとに別事件として申立てをすることが必要となります。
例)
債権者1名、債務者1名、第三者2名、債務名義1通の場合 1,000円
債権者1名、債務者1名、第三者2名、債務名義2通の場合 1,000円
債権者2名、債務者1名、第三者2名、債務名義1通の場合 2,000円

(1) 予納郵便切手(保管金提出書等送付用)
 郵便切手94円分(84円1枚、10円1枚)
(2) 予納金(予納する金額は、裁判所が指示します。)
 ㋐不動産情報1件6,000円
 ㋑勤務先情報1件6,000円
 第三者が1名増えるごとに2,000円ずつ加算
 ㋒預貯金情報と㋓株式情報1件5,000円
 第三者が1名増えるごとに4,000円ずつ加算
 予納金には、手続で使う郵便費用のほか、㋒預貯金情報や㋓株式情報の申立事件では、情報を提供する金融機関(第三者)への報酬(1か所2,000円)が含まれます。
(3) 申立人(代理人)への直送用封筒(㋒㋓のみ)
 ㋒預貯金情報や㋓株式情報を申し立てる場合、申立書に書いた金融機関(第三者)の数の「料金受取人払郵便」又は「94円切手を貼付した長3規格の封筒」を提出してください(※「お届け先」に申立人の住所・氏名を記入してください。)。

 ㋐、㋒、㋓の申立てができるのは、(1)執行力のある債務名義の正本を有する金銭債権の債権者又は(2)債務者の財産について一般先取特権(給料先取特権など)を有する債権者です。
 ㋑勤務先情報の申立てができるのは、養育費など、民事執行法151条の2第1項各号に掲げる義務に係る請求権か人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の執行力のある債務名義正本を有する債権者に限られます。

(1) ㋐不動産情報
 第三者は「東京法務局」です。

(2) ㋑勤務先情報
 ア 市区町村かイ 日本年金機構など厚生年金を扱う団体のどちらか又は両方が第三者になります。複数の市区町村や団体を第三者として選択することもできます。

ア 市区町村
 1月1日の時点で債務者の住所がある市区町村を第三者としてください。
 1月から2月の上旬に申し立てる場合で、債務者が転居しているときは、申立ての前年の1月1日時点に住所のあった市区町村と申立ての年の1月1日に債務者の住所がある市区町村の2つを第三者として申し立てることができます(転居後の市区町村に債務者の勤務先情報がないことがあります。)。

イ 厚生年金を扱う団体
 第三者として、日本年金機構、国家公務員共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団があります。
 国家公務員共済組合には、裁判所共済組合、法務省共済組合、日本郵政共済組合などがあります。なお、どの国家公務員共済組合に所属しているか分からない場合は、国家公務員共済組合連合会を第三者とすることもできます。
 地方公務員共済組合は、都職員共済組合(東京都の職員及び特別区の職員)、地方職員共済組合(道府県の職員等)、公立学校共済組合(公立学校の職員等)、警察共済組合(都道府県警察の職員及び警察庁職員)及び全国市町村職員共済組合連合会傘下の各共済組合(市町村の職員)などがあります。なお、債務者が市町村の職員であり、全国市町村職員共済組合連合会傘下の共済組合のいずれかに属していると考えられる場合は、全国市町村職員共済組合連合会を第三者にすることもできます(地方公務員共済組合連合会を第三者として申し立てることはできません。)。

(3) ㋒預貯金情報
 例えば、2つの銀行や銀行と信用金庫など、2つ以上の金融機関を第三者として申し立てることもできます。
 外国銀行も、日本国内に支店があり、預貯金の受入れをしている場合は、第三者として申し立てることができます。

(4) ㋓株式情報
 上場株式、投資信託受益権、国債等については、通常、口座管理機関(社債、株式等の振替に関する法律2条4項)である証券会社等の金融商品取引業者や銀行などが第三者となります。2つ以上の機関を第三者として申し立てることもできます。

 債務名義に基づく申立ての場合は、判決で金銭の支払いを命じられた者や調停で金銭を支払うことを約束した者などが債務者となり、一般先取特権に基づく申立ての場合は、雇用契約に基づく給料の支払いをしない者などが債務者となります。

(1) 債務名義に基づく申立ての場合-強制執行の開始要件(㋐、㋑、㋒、㋓に共通)

ア 執行力のある金銭債権の債務名義の正本を有する債権者であること。
 金銭債権の債務名義であれば、債務名義の種類は問いません。
 金銭債権の内容について、㋐不動産情報、㋒預貯金情報、㋓株式情報の申立てには制限はありませんが、㋑勤務先情報の申立ては、養育費など民事執行法151条の2第1項各号に掲げる義務に係る請求権か、人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権に限られます。

イ 執行開始要件を備えていること
 (ア)債務名義の正本又は謄本が債務者に送達されていること、(イ)更正決定がされている場合は、その正本又は謄本が債務者に送達されていること、(ウ)条件成就執行文又は承継執行文が付与されている場合は、同執行文の謄本及び証明文書の謄本が債務者に送達されていること、(エ)請求が確定期限の到来に係る場合は、その期限が到来していること等の執行開始要件を備えていることが必要です。

ウ 強制執行を開始することができない場合でないこと。
 債務者が、破産手続開始決定、会社更生手続開始決定、民事再生手続開始決定及び特別清算手続開始決定を受けている場合は、破産債権等に基づく強制執行を開始することができないので、情報取得手続の申立てをすることはできません。

(2) 一般の先取特権を有する債権者(㋐、㋒、㋓に共通)
 ※タイトルをクリックしてください(15(1)にリンク)

(3) その他の要件

ア 財産開示手続前置の要件(㋐、㋑に共通)
 ㋐不動産情報、㋑勤務先情報の申立てでは、申立ての日より前3年以内に財産開示期日における手続が実施されたことの証明が必要です(財産開示期日実施証明申請書の書式参照)。

イ 強制執行等の不奏功等の要件(㋐、㋑、㋒、㋓に共通。執行力のある債務名義の正本を持っている債権者と一般の先取特権を持っている債権者に共通)
 次の(ア)又は(イ)に該当することを主張・立証する必要があります。

(ア) 強制執行又は担保権の実行における配当等の手続(申立ての日より6か月以上前に終了したものを除く。)において、申立人が金銭債権(被担保債権)の完全な弁済を得ることができなかったこと。
 6か月以内に実施された動産、不動産若しくは債権に対する強制執行又は担保権の実行における配当若しくは弁済金の交付において、申立人が金銭債権(被担保債権)の完全な弁済を得ることができなかったことを主張し、配当表又は弁済金交付計算書の写しのほか、必要に応じて、開始決定正本写し又は差押命令正本写し、配当期日呼出状写し等の提出を要します。
 (注)債務名義に奥書がなく、配当表又は弁済金交付計算書の写しからだけでは、財産開示手続における債務者に対するものか判断できない場合、債務者の氏名、住所の記載のある開始決定正本写し又は差押命令正本写し、配当期日呼出状写し等の提出が必要になります。

(イ) 知れている財産に対する強制執行(担保権の実行)を実施しても、申立人が当該金銭債権(被担保債権)の完全な弁済を得られないこと。
 申立人が、債権者として通常行うべき調査を行った結果、知れている財産がどれだけ存在するのか、そしてそれらの財産に対する強制執行(担保権の実行)を実施しても、請求債権の完全な弁済を得られないことを具体的に主張し、その疎明として、下記9(1)オ又は下記15(2)オの「財産調査結果報告書」に記載される資料の提出を要します。

a 不動産
 居住地、所在地(本店・支店)等の不動産を調査したが、これを所有していないことあるいは所有していても無剰余であること。
b 債権
【法人、個人共通】
 預貯金口座を調査したが不明であるか、あるいは残額では完全な弁済が得られないこと。
【法人、個人事業者】
 営業内容から通常予想される債権について調査したが、完全な弁済を得られる財産が判明しなかったこと。
【個人】
 勤務先を調査したが不明であるか、あるいは給料等のみでは完全な弁済を得られないこと。
c 動産、その他
 不明であるか、あるいは価値がないこと。

【注意】申立ては、債務者ごとに申立書を作成し、別事件として申し立ててください。
 同じ債務者でも、対象となる財産の種類が違う場合は、不動産情報(㋐)、勤務先情報(㋑)、預貯金情報(㋒)、株式情報(㋓)の別に申立書を作成し、別事件として申し立ててください。

(1) 執行力のある債務名義の正本を有する債権者(㋐、㋑、㋒、㋓に共通)

ア 申立書(表紙)
 【書式】第三者からの情報取得手続申立書(債務名義・不動産情報(㋐))(PDF:101KB)
 【書式】第三者からの情報取得手続申立書(債務名義・勤務先情報(㋑))(Word:26KB)
 【書式】第三者からの情報取得手続申立書(債務名義・預貯金情報(㋒))(Word:25KB)
 【書式】第三者からの情報取得手続申立書(債務名義・株式情報(㋓))(Word:25KB)

イ 当事者目録
(ア)㋐不動産情報
 【書式】当事者目録(債務者が個人用)(PDF:54KB)
 【書式】当事者目録(債務者が法人用)(PDF:55KB)
 【書式】当事者目録(債務者が外国人用)(PDF:55KB)
 【記載例】当事者目録(債務者が個人用)(PDF:84KB)
 【記載例】当事者目録(債務者が外国人用)(PDF:94KB)
(イ)㋑勤務先情報、㋒預貯金情報、㋓株式情報
 【書式】当事者目録(Word:23KB)
 【書式】第三者目録(第三者複数の場合)(Word:18KB)
 【記載例】当事者目録㋑勤務先情報(PDF:81KB)
 【記載例】当事者目録㋒預貯金情報(PDF:79KB)

ウ 請求債権目録
 【書式】請求債権目録(Word:20KB)
 【記載例】請求債権目録(PDF:126KB)
 【書式】請求債権目録(人身損害)(Word:21KB)
 【記載例】請求債権目録(人身損害)(PDF:141KB)
 【書式】請求債権目録(養育費)(Word:23KB)
 【書式】請求債権目録(婚姻費用)(Word:23KB)
 【記載例】請求債権目録(養育費、婚姻費用)(PDF:184KB)

エ 所在地目録(㋐不動産情報のみ)
 【書式】所在地目録(PDF:32KB)
 【記載例】所在地目録(PDF:67KB)

オ 財産調査結果報告書
 【書式】財産調査結果報告書(個人用)(Excel:31KB)
 【記載例】財産調査結果報告書(個人用)(PDF:305KB)
 【書式】財産調査結果報告書(法人用)(Excel:31KB)
 【記載例】財産調査結果報告書(法人用)(PDF:289KB)

カ 債務名義等還付申請書
 【書式】債務名義等還付申請書(Word:218KB)

キ 訂正申立書
 【書式】訂正申立書(PDF:59KB)

(2) 一般の先取特権を有する債権者(㋐、㋒、㋓に共通)
 ※タイトルをクリックしてください(15(2)にリンク)。

(3) ㋐、㋑の申立ての場合
 財産開示期日が実施されたことの証明申請書
 釧路地方裁判所において債務者に対し3年以内に財産開示期日が実施されたことの証明が必要な場合は申請してください。
 【書式】財産開示期日実施証明申請書(Word:23KB)

(1) 申立書の作成方法
 ア A4判縦の用紙に、横書き、左とじで作成してください。
 イ 申立書表紙と各目録をホチキスどめし、各ページに契印又はページ数を付した上、各ページの上部余白に捨印を押してください。

(2) 申立書1枚目(表紙)
 申立てを理由付ける事実を具体的に記載し、立証を要する事由ごとに証拠を記載する必要があります。
 9の書式を利用する場合は、空欄を記載し、□の部分は該当箇所にチェック(✔)を入れれば足ります。

(3) 当事者目録
ア 申立人、債務者、情報の提供を命じられるべき者(第三者)の氏名や名称と住所、代理人の氏名と住所を記載してください。

(ア)当事者の氏名・名称の変更・転居(住民票等公文書添付)
 債務名義に記載された当事者(情報取得申立事件の申立人と債務者)の氏名、名称、住所について、氏名の変更や転居がある場合は、当事者目録に、債務名義に書かれた氏名、名称、住所と変更や転居後の氏名、名称、住所も記載してください。この場合、前の住所と後の住所などのつながりを証明する住民票、戸籍謄本、商業登記事項証明書等の公文書を添付する必要があります。
 旧住所を2つ以上記載する場合は、一番古い住所から現在の住所までのつながりを証明する公文書が必要です。

(イ)申立人(代理人)の電話番号
 第三者からの問合せに備え、当事者目録には申立人(代理人)の電話番号も記載してください。

(ウ)債務者の特定事項(住民票等公文書添付)
 当事者目録には、債務者の氏名や名称のふりがな、旧姓と旧姓のふりがな、旧住所、生年月日、性別など、債務者を特定する事項をできるだけ記載してください。ふりがなや旧住所等は、2つ以上記載することができます。
 ふりがな、生年月日や性別の記載がないと、第三者から該当がないと回答されることがあります。
 債務名義等に記載がない旧姓、旧住所、生年月日を記載する場合は、住民票等の公文書が必要です。
 債務者が未成年の場合、法定代理人である父母の氏名と住所も記載してください。

イ 債務名義に記載された当事者の氏名、名称、住所について更正決定がある場合は、更正決定の正本と債務者に対する送達証明書を提出してください。

(4) 請求債権目録(執行力のある債務名義正本に基づく場合。㋐、㋑、㋒、㋓に共通)
ア 債務名義を、債務名義作成機関名、事件番号、債務名義の種類で特定し、請求債権額を記載してください。
※例えば、執行文が付与された口頭弁論調書(判決)が債務名義の場合は、「執行力のある第○回口頭弁論調書(判決)正本」と題名を正確に記載してください。
イ 附帯請求(遅延損害金)は、申立日までに発生したものに限定する必要はありません。

(5) 担保権・被担保債権・請求債権目録(一般の先取特権に基づく場合。㋐、㋒、㋓に共通)
 ※15先取特権に基づく申立て(3)も参照してください。

(6) 所在地目録
 所在地目録には、登記所が検索すべき債務者が所有権の登記名義人である土地等の所在地の範囲を記載してください。所在地の範囲は、できるだけ限定するようにしてください。

(7) 目録の部数
 迅速な作業のために、当事者目録、請求債権目録、担保権・被担保債権・請求債権目録、所在地目録の写しを当事者の数に1部加えた部数の提出をお願いしています。目録の写しには、押印やホチキスどめはしないでください。

(1) すべての申立てに共通(㋐、㋑、㋒、㋓に共通)
ア 当事者が法人の場合
 商業登記事項証明書、代表者事項証明書等(3か月以内に発行されたもの)
イ 代理人による申立ての場合
 弁護士:委任状
 許可代理人:代理人許可申立書(申立手数料500円)、委任状、代理人と本人との関係を証する書面(社員証明書等)
ウ 債務名義や先取特権を証明する文書に書かれた当事者の氏名又は名称及び住所について、変更又は移転がある場合
 住民票、戸籍謄本、戸籍の附票、履歴事項証明書、閉鎖商業登記事項証明書等

(2) 執行力のある債務名義の正本を有する債権者(㋐、㋑、㋒、㋓に共通)
ア 執行力のある債務名義の正本(8(1)ア参照)
イ アの送達証明書
ウ 債務名義の更正決定がある場合は、その決定正本
エ ウの送達証明書
オ 債務名義が家事審判の場合は、その確定証明書
カ その他執行開始要件を備えたことの証明を要する場合は、その証明文書(8(1)イ参照)
キ 債務名義等還付申請書(還付が必要な場合)
ク キの債務名義等還付申請をする場合、上記ア~カの写しを各1通

(3) 一般の先取特権を有する債権者(㋐、㋒、㋓に共通)
 一般の先取特権を有することの証明文書
 先取特権の存在にかかる証明文書は、原本及びその写し2通を裁判所に提出してください。
 【参考】雇用関係の先取特権の存在について、申立人が証明すべき事実及び一般的な証明文書(PDF:163KB)

(1) 民事執行法197条1項1号の主張をする場合
ア 同号の証明資料
 配当表写し、弁済金交付計算書写し、不動産競売開始決定写し、債権差押命令写し、配当期日呼出状写しなど
イ 民事執行法205条2項の証明資料
 財産開示期日が実施されたことの証明書、財産開示期日調書写し、財産開示手続実施決定写しなど(9(3)参照)

(2)民事執行法197条1項2号の主張をする場合
ア 同号の証明資料
 財産調査結果報告書及び添付資料(8(3)参照)
イ 民事執行法205条2項の証明資料
 なお、財産調査結果報告書添付の資料と重なる場合は、再度の提出は不要です。

 ㋐不動産情報と㋑勤務先情報の申立てに対する認容決定に対しては債務者が、却下決定に対しては申立人が、それぞれ執行抗告の申立てをすることができます。
 ㋒預貯金情報と㋓株式情報の申立てに対する却下決定に対しては申立人が執行抗告の申立てをすることができます。
 執行抗告の申立ては、決定正本が送達された日から1週間の不変期間内に、抗告状を原裁判所に提出しなければなりません。
 また、抗告状に理由の記載がないときは、抗告状を提出した日から1週間以内に執行抗告の理由書を原裁判所に提出する必要があります。

 第三者から裁判所に情報提供書が届いた以降は、申立てを取り下げることはできません。
 また、申立てを取り下げた場合であっても、第三者から情報提供書が届いたときは、裁判所は、債務者に対し、情報提供命令に基づいて財産情報が提供された旨を通知します。また、㋒、㋓の申立てでは第三者に支払う報酬を負担していただくことになりますので注意してください。

(1) 申立ての要件
 一般の先取特権を有する債権者(㋐、㋒、㋓に共通)
 【注意】一般の先取特権では、㋑勤務先情報の申立てはできません。
ア 債務者の財産について一般の先取特権を有する債権者であること
 【参考】雇用関係の先取特権の存在について、申立人が証明すべき事実及び一般的な証明文書(PDF:163KB)
イ 一般の先取特権を実行できない場合でないこと
 被担保債権の履行期が到来していること
 債務者が、破産手続開始決定及び会社更生手続開始決定を受けている場合並びに民事再生手続において再生裁判所が一般の先取特権の実行の中止又は取消しを命じている場合は、破産債権等を被担保債権とする一般の先取特権を実行できないので、情報取得手続の申立てをすることはできません。

(2) 申立書等(書式)
 【注意】申立ては、債務者ごとに申立書を作成し、別事件として申し立ててください。
 同じ債務者でも、対象となる財産の種類が違う場合は、不動産情報(㋐)、預貯金情報(㋒)、株式情報(㋓)の別に申立書を作成し、別事件として申し立ててください。
ア 申立書
 【書式】第三者からの情報取得手続申立書(先取特権・不動産情報(㋐))(PDF:122KB)
 【書式】第三者からの情報取得手続申立書(先取特権・預貯金情報(㋒))(Word:29KB)
 【書式】第三者からの情報取得手続申立書(先取特権・株式情報(㋓))(Word:28KB)
イ 当事者目録
(ア)㋐不動産情報
 【書式】当事者目録(債務者が個人用)(PDF:54KB)
 【書式】当事者目録(債務者が法人用)(PDF:55KB)
 【書式】当事者目録(債務者が外国人用)(PDF:55KB)
 【記載例】当事者目録(債務者が個人用)(PDF:84KB)
 【記載例】当事者目録(債務者が外国人用)(PDF:94KB)
(イ)㋒預貯金情報、㋓株式情報
 【書式】当事者目録(Word:23KB)
 【記載例】当事者目録(㋒預貯金情報用)(PDF:79KB)
ウ 担保権・被担保債権・請求債権目録
 【書式】担保権・被担保債権・請求債権目録(Word:21KB)
 【記載例】担保権・被担保債権・請求債権目録(PDF:141KB)
エ 所在地目録(㋐不動産情報のみ)
 【書式】所在地目録(PDF:31KB)
 【記載例】所在地目録(PDF:67KB)
オ 財産調査結果報告書
 【書式】財産調査結果報告書(個人用)(Excel:31KB)
 【記載例】財産調査結果報告書(個人用)(PDF:305KB)
 【書式】財産調査結果報告書(法人用)(Excel:31KB)
 【記載例】財産調査結果報告書(法人用)(PDF:289KB)

(3) 申立書作成上の注意事項(㋐、㋒、㋓に共通)
ア 15(2)の書式を利用する場合は、空欄を記載し、□の部分は該当箇所にチェック(✔)を入れてください。前記10の「申立書作成上の注意事項」も参照してください。
イ 担保権・被担保債権・請求債権目録
 担保権を特定し、その担保権によって担保される債権額等を記載してください。附帯請求(遅延損害金)は、申立日までに発生したものに限定する必要はありません。