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湯本 沙樹
大阪家庭裁判所堺支部 家庭裁判所調査官(H30採用)
現在、私は少年事件を担当しています。少年事件の手続の中で、家裁調査官は、どうして少年が非行に至ったのか、その背景を明らかにし、今後非行を繰り返さない生活を送るために必要なことは何かを少年と一緒に考えて、それらを裁判官に報告することが主な仕事です。また、親や学校の教師などと少年について話し合ったり、少年の非行に影響を与えている要因に着目して、様々な方法で働き掛けを行ったりしています。
家庭裁判所に来た少年が少しでも良い方向に変わってほしいという思いは採用当時から変わりません。ただ、少年とどう関わるのがよいのか、何をどう伝えればよいのかに、毎回悩みながらこの仕事を続けています。その中でも、少年が非行に至るまでには必ずそれぞれのストーリーがあって、それを少年と一緒に振り返りながら、少年なりの変えたい、変わりたいと思う気持ちを大切にできたら、と思うようになりました。もちろんうまくいくことばかりではなく、こちらの考えを押し付けてしまったり、少年のことを理解しているつもりになってしまったり、試行錯誤の毎日です。それでも面接で少年とあれやこれやと話すうちに、更生に向けたヒントがお互いに見えたとき、少しは私が家裁調査官として関わった意味があったのかもしれないと思ってやりがいを感じます。
調査で迷ったり悩んだりしたときは、先輩調査官に相談していろいろな意見をいただきます。生き字引のように経験豊富な方や、心理検査が得意な方など、皆さんそれぞれが家裁調査官としての熱意と魅力、長所を持って仕事をされていて、たくさんの個性が集まって、家裁調査官としての経験年数にかかわらず知恵を絞り合う環境であることが、この職場の魅力だと思います。これからも周囲の皆さんの力を借りながら、家裁調査官としてのあり方を模索していきたいと思います。