少額訴訟債権執行の申し立てをされた方へ

東京簡易裁判所での少額訴訟債権執行の申立ての手続について説明しています。

第1 少額訴訟債権執行手続の基本的な流れ

図版:少額訴訟債権執行手続の基本的な流れ

第2 差押処分の送達完了まで

1 タイムスケジュール

 差押処分がなされると,速やかに差押処分正本を第三債務者及び債権者に発送し,その後に債務者に発送します。債務者及び第三債務者に対する送達完了までに要する時間は,順調に手続が進んだ場合,差押処分の申立てをしてから2週間程度です。

2 送達通知書の送付,不送達の通知

 送達が完了した場合は,第三債務者及び債務者に対する送達日を記載した送達通知書を債権者へ送付します。不送達になったときは,不送達になった旨通知します。

第3 差押債権の取立てについて

1 陳述書

 少額訴訟債権執行申立ての際に陳述催告の申立てを行うと,第三債務者から陳述書が裁判所と債権者に送付されます。陳述書には,差し押さえた債権の存否,債権がある場合には差し押さえた金額及び差し押さえた金額を債権者に対して支払う意思の有無等が記載されています。差し押さえた債権があり,第三債務者が支払う意思がある場合は下記2の手続に進みます。差し押さえた債権がないか,第三債務者が債権者に支払う意思がないことを債権者が第三債務者と争わない場合は,手続を進めることはできませんので,第5の2の取下書を提出してください。

2 取立権の発生・取立方法

 第三債務者及び債務者への送達が完了すると,裁判所から第2の2記載の送達通知書を債権者に送付します。陳述書に差押債権があると記載されていた場合,送達通知書に記載された債務者への送達日から1週間(ただし,少額訴訟債権執行申立ての日が令和2年4月1日以降であって,給料等の差押えの場合において,請求債権に養育費等の債権を含まない場合は4週間)を経過すると(※),債権者は第三債務者から差押債権を取り立てることができます。

※ 1週間の経過とは,債務者に対して送達された日の翌日を起算日(公示送達を除く。)として,7日目が1週間の末日ですので,その日の経過となります。7日目が土曜,日曜,祝日,年末年始であるときは,その次の平日が末日となり,その日の経過となります。4週間の経過も,これと同じ方法で28日目の経過となります。

 取立ては,債権者が第三債務者に連絡して,取立方法を協議してください。例えば,送達通知書及び差押処分正本を第三債務者に提示して,振込又は送金を依頼するなどしてください。

 取立てに要する費用については,明示の規定がないので,債権者と第三債務者との間で協議することになりますが,第三債務者は,債務者に対する債務額以上の支払義務を負うものではありませんから,注意して取立てを行ってください。また,第三債務者が支払義務を負うのは,差押債権目録記載の債権額そのものではなく,現実に差押さえた債権額に限られますから,陳述書で確認してください。

3 第三債務者が供託したとき

 第三債務者が差押えにかかる債権を供託したときは,債権者は取り立てることができません。裁判所が配当等の手続を行うことになりますが,裁判所から債権者に連絡があります。

第4 差押債権に争いがある場合

 差押えにかかる債権の存否や額について,第三債務者と債権者,あるいは第三債務者と債務者との間で争いがあるときは,取立訴訟という裁判手続で解決する方法があります。

第5 取立届・取下書の提出について

1 取立届の提出

  第三債務者から債権を取り立てたときは,その都度,取立届を裁判所に提出してください。その際の使用印は,少額訴訟債権執行申立書と同一のものを使用してください。差押債権目録記載の債権を全額取り立てたときは,取立完了届を提出してください。(取立届,取立完了届は原本を提出してください。ファクシミリでの提出はできません。)

2 取下書の提出

 ア 第三債務者の陳述書に差押えにかかる債権がない旨の記載があり,債権者がそのことを争わないとき
 イ 事実上取立ては完了したが取立額が差押債権目録記載の金額に達しなかったとき"
 ウ 弁済があったり,話合いの成立などで途中で取立てをやめるとき

 上記の場合は,取下書を提出してください。取下書の使用印は少額訴訟債権執行申立書と同一のものを使用してください。なお,少しでも取立額がある場合は,取下書の末尾に「既に取り立てた分を除く」と記載する必要があります。(後掲3アの取下書書式には,チェック(☑)を入れる部分を設けています。同書式の注意書をご参照ください。なお,取下書は原本を提出してください。ファクシミリでの提出はできません。)

3 まとめ

 取立完了届又は取下書の提出により事件は終了し,残債権があれば債務名義の還付を求めることができます。債務名義の還付申請は,できる限り取立完了届又は取下書と同時に提出してください。取下げや債務名義還付申請の際に添付すべきものは,以下のとおりです。

ア 取下げの場合

 取下書3通 書式(PDF:93KB) 記載例(PDF:130KB)(取立てがある場合,取立てがない場合)
 (債務者,第三債務者複数の場合はこれらの数+1通,ただし債務者に対する差押処分正本送達前の取下げの場合は2通)

イ 債務名義還付申請の場合

 還付申請書・受領書各1通 書式(PDF:59KB) 記載例(PDF:80KB)