成年被後見人の死亡後の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為についての許可申立てについて

はじめに

成年後見人は,成年被後見人(以下「本人」といいます。)が死亡した場合において,必要があるときは,本人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き,相続人が相続財産を管理することができるに至るまで,(1)相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為,(2)相続財産に属する債務(弁済期が到来しているものに限る。)の弁済及び(3)本人の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結その他相続財産の保存に必要な行為(上記(1)及び(2)の行為を除く。)を行うことができますが,このうち上記(3)に該当する行為をするには,家庭裁判所の許可が必要です(民法873条の2)。上記(3)に該当する行為(許可を要する行為)の具体例は,次のとおりです。

  1. 本人の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結(葬儀に関する契約は除く。)
  2. 債務弁済のための本人名義の預貯金の払戻し(振込により払い戻す場合を含む。)
  3. 本人が入所施設等に残置していた動産等に関する寄託契約の締結
  4. 電気・ガス・水道の供給契約の解約 など

申立てに当たっての留意事項

  1. 上記の申立て(死後事務許可の申立て)は,成年後見人に限られ,保佐人,補助人,任意後見人,未成年後見人はすることができません。
  2. 申立てに当たっては,本人が死亡した事実のほか,成年後見人が上記(3)に該当する行為を行う必要性があること,本人の相続人の意思に反することが明らかであるとの事情がないこと,及び本人の相続人が相続財産を管理し得る状況にないこと,が必要です。
  3. 死後事務の許可は,申立人(成年後見人)が審判書謄本を受領すると効力が発生します。

申立てに当たって必要なもの

(添付書類)

  • 本人の死亡の記載のある戸籍謄本又は死亡診断書の写し
  • 債務弁済のための本人名義の預貯金の払戻しの場合
    預貯金通帳(表紙及びその時点での残高が記載されたページ)の写し及び債務の存在を裏付ける資料(費用明細や請求書の写し等)
  • 本人が入所施設等に残置していた動産等に関する寄託契約の締結の場合
    寄託契約書(案)

※ 本人の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結及び電気・ガス・水道の供給契約については,添付資料は原則不要です。
※ 申立後に追加資料の提出を求めることがあります。