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最高裁判事,母校の後輩と座談会を実施
令和2年12月22日,筑波大学附属駒場中学校3年生11名が同校OBである山口厚最高裁判事及び林道晴最高裁判事を訪ねて,座談会を行いました。
引率を務めた同校の小貫篤教諭が,法教育にも熱心に取り組んでおられ,さらに2人の最高裁判事が同校のOBというご縁があり,実現したものです。
座談会の様子
座談会は,山口判事グループと林判事グループに分かれ,それぞれの判事が所属している小法廷に生徒をお迎えして行いました。
両判事は,和やかな雰囲気の下,生徒の皆さんから寄せられた質問に答えながら,楽しく話をしました。判事も驚くような難しい質問もあり,司法への関心の高さがうかがえました。また,判事の話を熱心に聴き,疑問に思ったことはその場で質問をするなど,生徒の皆さんの熱気にあふれる座談会となりました。
山口判事グループの様子(第1小法廷)
林判事グループの様子(第3小法廷)
Q. 公平な判断と自分の価値観との間で苦しんだことはありますか。
難しい質問ですが,公平な判断と自分の価値観とは,別の局面の問題ではないかと思います。どのような場面であっても,裁判官というのは公平な判断をしなければならないですね。
Q. 判決を出した後で,その判決が間違っていると思ったり,この結論でよかったのか悩んだりすることはありますか。
そのようなことがないと言い切れるぐらい判決の前にしっかりと考えていますし,他の裁判官ともしっかりと話し合って結論を決めています。
Q. 最高裁判事として,今後の目標はありますか。
法廷を,より一層活発な議論の場にしたいですね。傍聴人にもその場で裁判の内容が理解できるような審理を目指したいと思っています。
Q. これからの社会における最高裁判所や裁判官の在り方はどのようなものだと思いますか。
難しい質問ですね。
価値観の多様化や情報化にどのように対応していくのかを考える必要があると思います。
たとえば,現下の感染症拡大状況にあって,飲食業や旅行業,雇用形態でいえば非正規労働者やフリーランスの方々が大きなダメージを受けています。当然,今後関連する問題が司法の場に持ち込まれることもあるでしょう。その解決にあたっては,従来の尺度だけでなく,これからの社会の見通しや在り方を見据えて対応する必要があるのでしょうね。
座談会を終えて
座談会終了後には,両判事と一緒に大法廷を見学しました。大法廷の特徴である吹き抜けを興味津々といった様子で下から見上げたり,タペストリーを間近で見たり,それぞれが見学を楽しんでいました。
また,裁判官席に座ってみたり,両判事と打ち解けた様子で会話したりする姿も見られました。
最高裁判事との座談会は,生徒の皆さんにとってよい刺激となり,楽しんでいただけたようです。皆さんがより司法に関心を持つきっかけとなれば,大変嬉しく思います。