令和3年度「法曹という仕事」の開催結果について

「法曹という仕事」をオンライン形式で開催しました

写真:イベント「法曹という仕事」登壇者(裁判官)

令和3年8月17日,全国の高校生らを対象に,最高裁判所,法務省及び日本弁護士連合会の共催企画「法曹という仕事」を開催しました。
このイベントは,裁判官,検察官及び弁護士の法曹三者が直接法曹の意義や役割,魅力を紹介することで,次代を担う若い世代に法律家の仕事に興味をもってもらい,将来を考えるきっかけにしてもらいたいと企画したものです。
令和元年度の初開催に続いて2回目の開催となりますが,今回はオンライン形式の開催ということもあって,日本全国からたくさんの高校生の皆さんにご参加いただきました。

イベントは,「法を学ぶ」ということについて,岡村和美最高裁判事からの力強いエールから始まりました(第1部)。続いて,現役の裁判官,検察官,弁護士が,NHK Eテレ「昔話法廷」の「白雪姫」を題材に,裁判の仕組みや法廷でのやりとりを副音声的に解説し(第2部),最後は,オンライン上で裁判所チーム,検察官チーム,弁護士チームに分かれ,各チームがそれぞれに仕事の魅力や日常の様子を紹介したり,参加者からの質問に応じるなどしました(第3部)。

写真:イベント「法曹という仕事」岡村和美最高裁判所判事

参加者からは,「プロにしかわからないことをたくさん学べた。」「法曹に向いているか迷っていたので参加できて良かった。」「法曹の印象が180度変わった。」「全国から参加できる形で良かった。」「ぜひまた参加したい。」などたくさんの嬉しい感想をいただきました。

第1部

「誰もが平等に,尊重され,人間らしく生きることができる社会のために。法律家は,照れたり恥ずかしがったりすることなく堂々と正義を語ることのできる仕事です。」
岡村和美最高裁判事からは,「法を学ぶ」ということについて,その意義や高校生への期待などが語られました。

第2部

NHK Eテレ「昔話法廷」の「白雪姫」を観ながら,裁判の仕組みや法廷での発言の意図について,裁判官を進行役に,検察官,弁護士がそれぞれの立場から解説。法廷での服装の実情や証言内容に疑問を抱かせる手法やその意図,また,「こういう場面では,自分だったら○○する。」といった現役プロならではの説明に,参加者からは「なるほど」とうなずく姿が多く見受けられました。
さらに,「尋問するときに法廷を歩き回ったりするのですか」という参加者からの質問に対し,「歩き回ることはほとんどありません。証人が落ち着いて話ができるようにすることが大切です。」と応え,裁判の実際を解説する場面もありました。

写真:イベント「法曹という仕事」共同企画の弁護士登壇者

写真:イベント「法曹という仕事」共同企画の裁判官登壇者

写真:イベント「法曹という仕事」共同企画の検察官登壇者

第3部

オンライン上で,裁判所チーム,検察官チーム,弁護士チームの3つに分かれ,参加者は好きなタイミングで,興味のあるチームの部屋を行き来し,各チームの内容を楽しみました。

写真:イベント「法曹という仕事」個別企画(左から,家庭裁判所調査官,書記官,裁判官2名)

裁判所チームでは,裁判官,書記官,家庭裁判所調査官が登場。実際の職場の雰囲気さながら,日常の仕事の様子やチームで働く様子,また,どうして裁判所で働こうと思ったかなどについて,和やかに話し合われました。参加者からはチャットで次々と質問が寄せられ,どんな勉強が必要かなどの質問に応じました。

写真:イベント「法曹という仕事」個別企画の登壇者(家庭裁判所調査官)

写真:イベント「法曹という仕事」個別企画の登壇者(書記官)

写真:イベント「法曹という仕事」個別企画の登壇者(裁判官)

写真:イベント「法曹という仕事」個別企画の登壇者(裁判官)

参加者の感想

  • (埼玉県在住・中1・13歳)裁判所ルームでお話を聞きました。裁判官には厳格なイメージがありましたが,色々な人が色々な仕事をしているのを知り,自分がなるとしたらと想像しながら聞くことができました。コロナの関係で裁判所に行けない中,このような企画を通じて色々な意見が聞くことができ,とても良かったです。
  • (東京都在住・高3・18歳)裁判官の「法曹は全員社会正義を目指しており,アプローチが違うだけ」という言葉や,学生のうちにすることとして「好奇心のアンテナを広く持つこと」というアドバイスが印象に残りました。法曹は経験や知識が積み重なるもので,自分にとっても人間としてもプラスになると感じました。私は特に心理学に興味があるので,調査官になりたいと思っています。
  • (秋田県在住・高1・15歳)弁護士は理系でも向いていると聞いて驚きました。理系か文系かを選択する時期なのですが,理系選択も考えてみます。また,裁判官は刑事事件や民事事件でも幅広い知識を持っているのですごいと思いました。
  • (神奈川県在住・高1・15歳)皆さんフレンドリーで,法曹三者の関係も,対立しているというよりは真実に向かって正義を持とうとしていて,その姿勢に感動しました。また,ただ職種を説明されるだけでなく,生の体験を聞けてイメージを持つことができました。元々検察官になりたいと思っていましたが,お話を聞いたら,裁判官や弁護士にも興味が出てきました。

ご参加ありがとうございました

全国から参加者を募集するオンライン企画は初めての試みでしたが,日本全国からたくさんの方にご参加いただきました。画面を通して,真剣な眼差しや笑顔をたくさん見ることができました。今回の企画を通じ,「法曹という仕事」を少しでも身近に感じ,興味をもってもらえたら嬉しく思います。

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      8. 安浪亮介
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      15. 令和5年度「法の日」週間記念行事
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