長嶺安政最高裁判事による母校生徒との座談会

トップ > 各地の裁判所 > 最高裁判所 > 最高裁判所について > 最高裁判所の広報活動 > 長嶺安政最高裁判事による母校生徒との座談会

最高裁判事、母校の後輩と座談会を実施

令和3年12月13日、筑波大学附属駒場高校2年生15名が同校OBである長嶺安政最高裁判事を訪ねて、座談会を行いました。

長嶺最高裁判事は同校のOBであり、昨年に引き続き、同校の先輩後輩による座談会が実現しました。

座談会の様子

座談会は、長嶺判事が所属する第3小法廷に生徒の皆さんをお迎えして行いました。

長嶺判事は、外交官時代の経験なども交えながら、これから進路を考える高校生に対してメッセージやアドバイスを話しました。生徒の皆さんは、時折うなずきながら真剣な表情で話を聞いていて、熱心に座談会に参加している様子がうかがわれました。

写真:座談会の様子

写真:座談会の様子

Q. 最高裁判事の職務を行うに当たり、外交官時代の経験はどのように生かされていますか。

外交官をしていたころ、条約を結ぶ交渉や、オランダにある国際刑事裁判所の設置など、いろいろな形で国際法の世界に携わりました。その中で、様々な法制度をもつ外国の人たちと意見交換し、ともに困難な課題に取り組みながら考えてきたことは、最高裁判事としても、問題解決のための手立てとして生かせるのではないかと思っています。

画像:長嶺判事

Q. 裁判官同士で意見や解釈が異なることもあると思いますが、考えの違いを、どのように判決という一つの結論に統一するのでしょうか。

最高裁判事同士で様々な角度から議論をすることで、意見が徐々に収れんされていくところがあります。全員一致を目指して議論を尽くしたいと思っていますが、それでも全員の意見がまとまらないことはあります。そのような場合も、それぞれの判事が補足意見や反対意見を述べる形で考えを示すことがあります。皆さんには、そうした個別意見も含め、判決や決定をよく読んでもらいたいと思います。

画像:長嶺判事

Q. これから法曹を目指す人に求められることはありますか。

法曹に限らず、皆さんには「おや?」と感じたときの好奇心を大切にして、突き詰めて考える習慣をつけてほしいと思います。自分とは違う考え方や視点を大切にできる人になってほしいですね。

画像:長嶺判事

座談会を終えて

座談会終了後も、まだまだ聞きたいことがあったのか、名残惜しそうに判事を取り囲む生徒の皆さんの姿が印象的でした。限られた時間ではありましたが、判事との座談会を通じて、高校生の皆さんには、自分の進路や将来について考える時間を持っていただけたのではないでしょうか。

写真:集合写真

最高裁判事との座談会は、生徒の皆さんにとってよい刺激となり、楽しんでいただけたようです。皆さんがより司法に関心を持つきっかけとなれば、大変嬉しく思います。