1. 概要
相続人ではない被相続人の親族で,被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者(これを「特別寄与者」といいます。)は,相続人に対し,寄与に応じた額の金銭(これを「特別寄与料」といいます。)の支払を請求することができます。この特別寄与料の支払について,当事者間に協議が調わないとき又は協議をすることができないときには,家庭裁判所の調停又は審判の手続を利用することができます。
調停手続を利用する場合は,特別の寄与に関する処分調停事件として申し立てます。調停手続では,当事者双方から事情を聴いたり,必要に応じて資料等を提出していただいたりするなどして事情をよく把握したうえで,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をしたりして,合意を目指した話合いが進められます。
なお,調停手続で話合いがまとまらず,調停が不成立となった場合には,審判手続が開始されます。
※ 令和元年7月1日より前に開始した相続については,この申立てはできません。
2. 申立人
被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人,相続の放棄をした者,相続人の欠格事由(民法891条の規定)に該当する者及び廃除によってその相続権を失った者を除く。)
3. 申立期間
申立ては,特別寄与者が相続の開始があったこと及び相続人を知った時から6か月を経過したとき,又は相続開始の時から1年を経過したときはすることができないとされています。
4. 申立先
相手方の住所地の家庭裁判所又は当事者が合意で定める家庭裁判所
5. 申立てに必要な費用
- 申立人1人につき収入印紙1200円分(相手方又は被相続人が2人以上の場合は「収入印紙1200円×相手方の人数×被相続人の人数」)
- 連絡用の郵便切手(申立てされる家庭裁判所へ確認してください。なお,各裁判所のウェブサイトの「裁判手続を利用する方へ」中に掲載されている場合もあります。)
6. 申立てに必要な書類
(1)申立書1通及びその写しを相手方の人数分(7の書式及び記載例をご利用ください。)
(2)標準的な申立添付書類
- 申立人,相手方の戸籍謄本
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
- ※ 同じ書類は1通で足ります。
- ※ 戸籍等の謄本は,戸籍等の全部事項証明書という名称で呼ばれる場合があります。
- ※申立前に入手できない戸籍等がある場合は,その戸籍等は申立後に追加提出することでも差し支えありません。
- ※ 審理のために必要な場合は,追加書類の提出をお願いすることがあります。