1. 試験観察
家庭裁判所では、少年に対する処分を直ちに決めることが困難な場合に、少年を適当な期間、家庭裁判所調査官の観察に付すことがあります。これを試験観察といいます。試験観察においては、家庭裁判所調査官が少年に対して更生のための助言や指導を与えながら、少年が自分の問題点を改善していこうとしているかといった視点で観察を続けます。この観察の結果なども踏まえて裁判官が最終的な処分を決めます。
試験観察を行う際、民間の人や施設に指導を委ねて観察することもあります(これを「補導委託」といいます。)。
補導委託とは、民間の篤志家(「補導委託先」といいます。)の協力によって、少年を家庭的な生活環境に置いたり、生活環境を変えたりして、規則正しい生活習慣を身に付けさせることによって少年の更生を図ろうとするもので、試験観察に併せて行われるものです。
一般的には、補導委託先において、その責任者である補導受託者や家族と生活を共にし、仕事等を通して規則正しい生活習慣を身に付けるよう指導していくことが中心となります。
少年を預かっていただく補導委託先には、建築業、製造業、農業、飲食店、理美容店の経営者など個人の方々や児童福祉施設、更生保護施設などがあります。
少年は、補導委託先の人たちと生活を共にしたり、仕事を教わったりする中で、社会人としての生活習慣や責任感を学びます。
補導委託(模擬)