被害者保護制度に関する少年事件Q&A

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少年事件で被害にあわれた方のための制度

少年事件で被害にあわれた方の声をお聞きしています

第2 被害者保護制度

1 少年犯罪によって被害を受けた方のための制度

少年犯罪によって被害を受けた方のための制度として,どのようなものがありますか。
少年犯罪によって被害を受けた方が家庭裁判所に申し出ることのできる制度として,
  1. 少年事件記録の閲覧・コピー
  2. 心情や意見の陳述
  3. 審判の傍聴
  4. 審判状況の説明
  5. 審判結果等の通知

があります。
少年犯罪によって被害を受けた方は,事件記録を閲覧・コピーできるのですか。
審判を開始すると決定された事件については,閲覧・コピーを求める理由が正当でない場合等を除き,原則として家庭裁判所で閲覧・コピーできます。それ以外の事件についても,家庭裁判所の許可があれば,閲覧・コピーできます。
事件記録は全部見ることができるのですか。
家庭裁判所に送られてきた捜査段階の記録や審判期日調書などについて,少年や関係者のプライバシーに深く関わるものなどを除いては,原則として閲覧やコピーができます。
家庭裁判所で心情や意見を述べるにはどのような方法があるのですか。
審判の場で裁判官に直接述べる方法と,審判以外の場で裁判官や家庭裁判所調査官に述べる方法があります。
被害を受けた方が家庭裁判所に行って,自分の気持ちや意見を述べるというのは不安を感じると思いますが,その不安を軽減させるために何か要望を出すことができますか。
そのような心理的なご負担ができるだけ軽減されるように,被害を受けた方が心情や意見を述べる際は,緊張や不安を和らげるために,家族等に付き添ってもらうことができる場合もありますので,遠慮なく家庭裁判所の担当者にご相談ください。
心情や意見は,少年の面前で述べることになるのでしょうか。
少年や保護者がいない場で意見を述べることもできますし,また,審判の場で,少年や保護者との間につい立てを置くなどの措置をとることもできます。
どのような犯罪の被害を受けた方が審判を傍聴することができるのですか。
少年の故意の犯罪行為(殺人,傷害致死,傷害など)や交通事件(過失運転致死傷)などによって被害を受けた方が亡くなってしまったり,生命に重大な危険のある傷害を負った事件のご本人やご遺族の方が対象となります。ただし,少年が事件当時12歳に満たなかった場合には,法律により傍聴が認められていません。
審判の傍聴の申出は,いつまでにすればよいのですか。
家庭裁判所が傍聴を認めるかどうかの判断をするために日数がかかることがありますので,傍聴を希望される場合はなるべく早めに申出をするようにしてください(審判期日の間近に申出がされた場合には,傍聴が許されないこともありますので,ご注意ください。)。
申出をすれば,必ず審判を傍聴できるのですか。
審判の傍聴は,家庭裁判所が少年の年齢や心身の状態,事件の性質,審判の状況その他の事情を考慮して,少年の健全な育成を妨げるおそれがなく相当と認めるときに許されます。不相当と認める場合には許されません。
 なお,審判の傍聴が許された期日であっても,審判の状況によっては審判廷から一時的に退室していただくこともあります。
被害を受けた方が傍聴する際,誰かに付き添ってもらうことができるのですか。
ひとりで傍聴をすることに著しく不安や緊張を覚えるおそれがあると家庭裁判所が認めるときは,その不安や緊張を緩和するのにふさわしい方に付き添ってもらうことができます。
被害を受けた方は,審判の状況について説明を受けることができるのですか。
審判期日の日時・場所,審判経過,少年や保護者の陳述要旨,処分結果等審判期日で行われた手続などについて説明を受けることができます。
被害を受けた方は,少年がどのような処分を受けたのか知ることはできるのですか。
家庭裁判所へ申し出て,次のような内容の通知を受けることができます。
【内容】
  1. 少年及びその法定代理人の氏名及び住居
  2. 決定の年月日
  3. 決定の主文
  4. 決定の理由の要旨
少年犯罪によって被害を受けた方への配慮の制度について,申出ができる方の範囲や必要書類などを教えてください。
申出ができる方の範囲,必要な書類,申出手数料,申出ができる期間などを一覧表にまとめますと,次のとおりになります。
少年犯罪被害者支援制度の各申出について
 事件記録の閲覧・コピー審判結果等の通知審判状況の説明意見陳述
申出ができる方1.被害を受けた方
2.被害を受けた方の法定代理人(親権者など)
3.被害を受けた方が亡くなっていたり、重い病気やけがをされている場合は、被害を受けた方の配偶者、直系の親族(被害を受けた方の親や子など)、兄弟姉妹
※1~3の方が弁護士に依頼して申出をすることもできます。
必要な書類等1 申出をする方の身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
2 印鑑
※上記2や3の方の申出の場合は、被害を受けた方との関係がわかるもの(戸籍謄本など)や被害を受けた方の診断書など、資料の提示をお願いすることがあります。
申出ができる期間審判手続が開始された後事件が家庭裁判所に送られた後
少年犯の処分が確定してから3年以内少年犯の処分が決まるまで
申出手数料収入印紙150円分(コピー代は別にかかります。)不要
審判傍聴
申出ができる方少年の故意の犯罪行為や過失運転致死傷などの交通事件によって、
  1. 被害を受けた方が亡くなった場合
    亡くなった方のご遺族(配偶者、直系の親族(被害を受けた方の親や子など)、兄弟姉妹)
  2. 被害を受けた方が生命に重大な危機のある障害を負った場合
    1. 被害を受けた方
    2. 被害を受けた方の法定代理人(親権者など)
    3. 被害を受けた方が重い病気やけがにより傍聴をすることが難しい場合は、被害を受けた方の配偶者、直系の親族、兄弟姉妹
※弁護士に依頼して申出をすることもできます。
必要な書類等1 申出をする方の身分証明書(運転免許証、パスポート)
2 印鑑
※上記のほか、被害を受けた方との関係が分るもの(戸籍謄本など)や被害を受けた方の診断書など、資料の提示をお願いすることがあります。
申出ができる期間事件が家庭裁判所に送られた後、申出ができます。
※家庭裁判所が申出を認めるかどうかの判断をするためには日数がかかることがありますので、審判の傍聴を希望される場合には、お早めにお申し出ください。
※審判期日の間近に申出がされた場合、傍聴ができない場合もありますので、ご注意ください。
※審判の傍聴がみとめられたかどうかについては裁判所から通知されます(認められた場合は、審判期日も併せてお知らせします。)。
申出手数料不要
他にも,被害を受けた方への配慮の制度はあるのでしょうか。
刑事事件における証人の不安や緊張等を緩和するための措置と同様の措置を,少年審判においてもとることができます。例えば,審判の場で証人として証言される場合に,少年らが同席しているときは,少年らとの間につい立てを置く,テレビ回線で結ばれた別室から証言するなどの措置をとることができます。
被害を受けた方への配慮の制度とは別に,家庭裁判所では被害を受けた方から話を聴くこともあると聞きましたが。
被害を受けた方の声を調査,審判に反映させるため,被害の実情やお気持ちについて書面で,あるいは家庭裁判所調査官が直接会ってお話を聴く場合があります。
 詳しくは,次項「少年犯罪によって被害を受けた方の声をお聴きしています」をご覧ください。
どのような目的で話を聴くのですか。
被害を受けた方から被害の実情やお気持ちを聴いて,それを少年審判手続に反映させることによって,家庭裁判所として事件を一層正確に理解し,少年に対する適切な処遇を行うことができるようにするためです。
どのようなことを聴かれるのですか。話したことは裁判官に伝わりますか。
被害を受けた状況やその現状,被害による後遺症の有無や生活への影響,少年側からの謝罪や弁償の状況,事件や少年に対するお気持ちなどをお聴きします。家庭裁判所調査官は,被害を受けた方の心情等に十分配慮しながら話を聴き,他の調査結果と共に裁判官に報告します。
少年やその保護者から,被害者の意見が反映されたため処分が重くなったと逆恨みを受けることはないですか。
少年や保護者に伝えてほしくない事柄については,その旨を申し出ていただければ,家庭裁判所から少年側に伝えることはありません。家庭裁判所としては,被害を受けた方のお気持ちやプライバシーに十分配慮するよう努めています。
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