トップ > 各地の裁判所 > 最高裁判所 > 各種委員会 > 医事関係訴訟委員会について > 第12回医事関係訴訟委員会・第10回鑑定人等候補者選定分科会議事要旨
1. 日時
平成16年3月1日(月)午後1時
2. 場所
最高裁判所中会議室(2階)
3. 出席者(敬称略)
委員
森 亘,大西勝也,鴨下重彦,菊池信男,木下勝之,杉本恒明,永井多惠子,橋元四郎平,平山正剛,武藤徹一郎(川名尚,山口武典は欠席)
特別委員
名川弘一,前川和彦,御手洗哲也
オブザーバー
前田順司,角隆博
事務局
園尾隆司,菅野雅之,舘内比佐志
4. 議事
(1)開会の宣言
(2)医事関係訴訟委員会における鑑定人及び裁判所に対するアンケートについて
事務局から,前回の討議の結果を受けて,委員会設置後から平成15年12月末日までに実施,回答を受けたアンケートの結果について発表した。その内容としては,別添「医事関係訴訟委員会における,鑑定人に対するアンケートの結果について」(PDF:252KB)及び「医事関係訴訟委員会における,裁判所に対するアンケートの結果について」(PDF:94KB)係雑誌で紹介する予定であること,今後も年に1,2回程度,アンケート結果を取りまとめて,委員会に提出するとともに各学会に送付する予定であること,が報告された。
(3)鑑定手続に関する鑑定人用一般向け刊行物の作成について
事務局から,最近,改正された民事訴訟法・規則の施行に向けて,鑑定手続についてわかりやすく説明したパンフレット「鑑定人になられる方のために」,及び鑑定手続の概要,鑑定書の書式等を収録した「鑑定人CD-ROM」を作成したことが報告され,その概要が紹介された。
(4)平成15年度厚生労働科学研究・子ども家庭総合研究事業「小児科産科若手医師の確保・育成に関する研究」シンポジウムについて
鴨下委員から,上記平成15年第3回シンポジウムが2月7日に開催され,本委員会の木下委員及びオブザーバーの貝阿彌東京地裁判事が講演したことが報告された。
(5)推薦依頼をした事案の経過報告等
事務局から,本委員会から各学会に対して鑑定人推薦依頼をした事案について,別添「医事関係訴訟委員会において推薦依頼をした事案の経過一覧表」(PDF:382)に基づき,経過報告が行われた。
(6)推薦依頼について
今回推薦依頼のあった事例13件について,別添「推薦依頼のあった事案等について」(PDF:16KB)のとおり,依頼先学会が選定された。
(7)鑑定手続等について
ア アンケート内容の改善について
事務局から,前回の討議の結果を受けて,現行のアンケート内容につき,1.)鑑定人に対する裁判所の率直な意見を聞ける内容の質問を付加すること,2.)アンケートの対象に代理人弁護士も加え,鑑定人や本委員会に対する意見を聞くこと,についての提案があり,了承された。
イ 日本癌治療学会からの文書について
事務局から,日本癌治療学会より,本委員会からの鑑定人候補者推薦依頼に対応するために,学会内部に医事関係訴訟委員会を設置し,鑑定人候補者名簿を作成した旨の通知があったことが報告された。これに対し何らかの形で礼状等を返したい旨が提案され,了承された。
(主な発言)
- 他にも,日本外科学会,日本産科婦人科学会,日本循環器学会等において,鑑定人推薦のために学会内に組織を作って本格的に取り組んでいただいており,こうした学会が増えていることはきわめて心強い。
- 今後,推薦に積極的な学会に対し,協力に対するお礼かたがた,本委員会からの推薦依頼に対してどのような体制で取り組んでいるのかについて伺うことを考えてもいいのではないか。
- 本委員会からの推薦依頼に応じるために積極的に取り組んでいる学会があるという事実並びにその内容を,各学会に情報提供し,他の学会の取組状況が互いに分かるようにすることが大切である。今は,各学会が社会的貢献について真剣に検討している時期であり,こうした情報を学会に提供することにより,本委員会に協力していこうという気運が更に高まることが期待できよう。
ウ 雑誌「心臓」に掲載された千葉県医事関係裁判運営委員会の記事について
杉本委員から,医学の学術雑誌「心臓」35号に,巻頭言として,「医療訴訟の運営改善に向けて 千葉県医事関係裁判運営委員会について」という記事が掲載され,千葉における法曹界と医学界の交流が紹介された旨が報告された。
(主な発言)
- 地域における交流に関する記事が学術誌に掲載されたことは,学会に対しても大きなアピールとなる。こうした記事を,何かの機会に,本委員会から各学会に案内することで,協力体制構築に向けた議論や検討のきっかけになることが期待できよう。
(8)その他
ア その他の意見等
- アンケート結果に示された鑑定人の意見には,パンフレットが分かりやすかった,丁寧に説明をしてもらえた,従来より鑑定がやりやすくなった,などの好意的な意見が寄せられており,大変心強い。
- アンケート結果には,例えば,裁判所に出頭することが大きな負担になる,といった意見もあった。こうした意見を,医事関係訴訟の手続に反映させ,改善を図っていくことはできないか。
- 鑑定書提出後の補充的な説明については,鑑定人に書面で提出してもらう場合もあろうし,鑑定人から直接,説明してもらうことによって初めて理解が進むという場合もあろう。いずれにしても,様々な意見を加味しながら検討を加えていくことが大切である。
イ 次回の委員会の日程等
次回の委員会及び鑑定人等候補者選定分科会は平成16年6月から7月上旬ごろに開催することが決定した。