トップ > 各地の裁判所 > 最高裁判所 > 各種委員会 > 医事関係訴訟委員会について > 第14回医事関係訴訟委員会・第12回鑑定人等候補者選定分科会議事要旨
1. 日時
平成16年11月22日(月)午後3時
2. 場所
最高裁判所中会議室(2階)
3. 出席者(敬称略)
委員
森 亘,鴨下重彦,川名尚,菊池信男,木下勝之,杉本恒明,永井多惠子,橋元四郎平,平山正剛,武藤徹一郎(大西勝也,山口武典は欠席)
特別委員
名川弘一(前川和彦,御手洗哲也は欠席)
オブザーバー
貝阿彌誠,角隆博
事務局
高橋利文,菅野雅之,小林宏司
4. 議事
(1)開会の宣言
(2)医療訴訟ガイダンス及び医療訴訟協議会等の開催状況について
事務局から,各地方裁判所において開催されている,医療訴訟ガイダンスや医療訴訟協議会等,医療の専門家と法曹界の有識者の意見交換の取組について説明し,平成16年1月から6月までの間の開催状況について報告した。
(3)医事関係統計「医事関係訴訟事件の診療科目別新受件数」について
平成15年度の標記の統計の発表方法について,「本来診療科目ごとに医師数や医療行為の危険性が異なるものであるのに,単に件数を発表するだけでは,件数が多い診療科は危険だというような短絡的誤解を招かないか。」との意見があったことを受けて,事務局から,「統計が各診療科についての医療事故の起こりやすさを示すものではない」旨の注記をすることが提案され,了承された。
(主な発言)
- 昨今,公的機関はできるだけ情報を公開するべきであるという趨勢になっている。この種の統計についても社会的なニーズに対応して公開しつつ,他方誤解を与えたり誤って使用されないような配慮,例えば今回のような注記をすることも必要である。
- 医療の研究会や医師の意識調査でも,特定の診療科について医事関係訴訟の事件数が多いというテーマが度々取り上げられており,若手医師が専門科を選択する際にも,訴訟の件数が影響しているという問題もある。学会としては,現実を受けとめた上でどのように対応するかを真摯に検討する方針であるから,このようなデータを積極的に出していただくことは結構だと考えている。
(4)推薦依頼をした事案の経過報告等
事務局から,本委員会から各学会に対して鑑定人推薦依頼をした事案について,別添「医事関係訴訟委員会において推薦依頼をした事案の経過一覧表」(PDF:424KB)に基づき,経過報告が行われた。
(5)推薦依頼について
今回推薦依頼のあった事例12件について,別添「推薦依頼のあった事案等について」(PDF:16KB)のとおり,依頼先学会が選定された。
(6)大阪地方裁判所医事事件集中部での取組についての紹介
オブザーバーの角裁判官から,大阪地方裁判所の医事事件集中部における取組について報告された。鑑定の実施に際して,事案に相応しい鑑定事項や鑑定方法の選択等について裁判官と鑑定人で十分な協議を行っていること,平成16年3月の医事鑑定大阪高裁ネットワークの発足により,鑑定人選任までの期間が短縮されたこと,裁判官の医療に関する知識の習得を目的とした「医師と語る研究会」を実施していることなど,同部における審理運営改善の取組や実情について説明されたほか,判例タイムズ第1151号に掲載された「大阪地方裁判所医事事件集中部発足3年を振り返って」との記事が紹介された。
(7)答申について
事務局から,医事関係訴訟委員会の活動,医事関係訴訟の運用及び医学界と法曹界の相互理解と協力へ向けた取組の広がり,といった事項を主な内容とする答申案の骨子について,説明された。今後,委員の意見を伺って更に検討することとなった。
(主な発言)
- 委員会の活動の中でも,実際に依頼に応じて鑑定人候補者を推薦した学会や,委員会の活動に呼応して学会が行った取組などについては,積極的に紹介した方がよいのではないか。
- 委員会の活動を社会に紹介して批判を仰ぐという意味で,わかりやすいものにしたほうがよい。
(8)次回の委員会の日程等
次回の委員会及び鑑定人等候補者選定分科会は平成17年2月から3月中旬頃に開催することが決定した。