トップ > 各地の裁判所 > 東京地方裁判所/東京簡裁以外の都内簡易裁判所 > 裁判手続きを利用する方へ > 民事第8部(商事部) > 非訟・過料係からのお知らせ > 【会社法】帳簿資料保存者選任申立事件についてのQ&A
- 1. 帳簿資料保存者選任申立事件とは?
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株式会社、持分会社の清算人は、その本店において清算のための事務が終了し、その旨の登記(清算結了の登記)を終えた時から10年間、清算会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料を保存しなければなりません(会社法508条1項)。
しかし、清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任する必要がある場合には、利害関係人は、裁判所に対して、当該保存者の選任の裁判を求めることができます(会社法508条2項)。その手続が「帳簿資料保存者選任申立事件」です。
- 2. 株式会社以外の法人についても、清算人が帳簿資料を保存することができない場合には、清算人以外の人に帳簿資料を保存してもらうために、重要資料保存者の選任申立てをすることができるのでしょうか。
- 合資会社、合名会社、合同会社については、会社法672条3項に基づき、株式会社と同じように申し立てることができます。一般社団法人及び一般財団法人についても、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律241条2項に基づき、申し立てることができます。
- 3. 申立てが認められるのはどのような場合でしょうか。
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①清算人において帳簿資料の保存を行うことに支障があり、かつ、②清算人に代わって帳簿資料を適切に保存することが期待できる者が存在する場合であることが必要と解されています。
①が認められる例は、次のとおりです(②については、Q7をご参照。)。
⑴ 清算人自身が申し立てる場合
→ 清算人による保存が困難な事情がある場合(海外転居、高齢、重病等)です。
⑵ 第三者が申し立てる場合
→ 清算人による適切な保存を期待することができない事情がある場合(死亡、行方不明、親会社からの
出向により清算業務を行っていた親会社社員の出向終了等)です。※清算人の責任において第三者に保存を委託することは可能ですので、単に清算人の自宅等に保存するスペースが無いなどの理由では、保存が困難な場合とは認められません。
- 4. 申立ての手続は、どのようにするのでしょうか?
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1 申し立てる人(申立人)・・清算人又はその他の利害関係人(会社法508条2項)
2 申立てをする裁判所 ・・・清算会社の本店所在地を管轄する地方裁判所又はその支部(会社法868条1項)。
東京地方裁判所は、東京都の区部(23区)及び島しょ(伊豆諸島・小笠原諸島)に本店所在地がある会社について申立てを受け付けています。
それ以外の東京都の地域は、東京地方裁判所立川支部(〒190-8571 東京都立川市緑町10番地の4)に申立てをしてください。
- 5. 申立てのためにかかる費用はどのくらいですか。
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1 申立手数料として収入印紙1,000円 (民事訴訟費用等に関する法律3条1項、別表第1、16項)
(申立書に貼付し、割印はしないでください。)
2 決定謄本送付用郵便切手84円×2枚(申立人と保存者の分)が必要です。※ 決定謄本を郵送でなく裁判所の窓口(民事第8部書記官室)で受領する場合には、その受領方法を選択する人の分の郵便切手は不要になります。
申立書と同一の印鑑で作成した受領書(Word:18KB)・(PDF:52KB)を持参してください。
この場合、使者の方でも決定謄本を受領することができます。
- 6. 申立てに必要な書面はどのようなものがありますか?
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次のものを御用意下さい。
1 申立書(書式につき、申立書記載例(帳簿資料保存者選任申立事件)(Word:18KB)・(PDF:279KB)) 2 保存者の候補者の就任承諾書(書式につき、就任承諾書(Word:18KB)・(PDF:61KB)) 3 登記事項証明書
(清算会社の登記事項証明書・保存者の候補者が会社の場合の当該会社の登記事項証明書又は代表事項
証明書)4 清算人が帳簿資料を保存できないことの疎明資料(死亡の事実が記載された戸籍謄本等) 5 3の清算会社の登記簿に記載されていない候補者を保存者にしたい場合には、
その候補者と清算会社との関係を証する書面
(株主であれば、清算人作成の株主名簿。(書式につき、株主名簿(Word:19KB)・(PDF:53KB)))6 保存者の候補者の住民票等(候補者が法人であれば登記事項証明書)
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7. 保存者は、どのような人が選任されていますか?
(保存者の候補者としては、どのような人を準備すればよいでしょうか?) -
1 解散前の「取締役」、「監査役」等登記事項証明書に記載されている元役員を選任した事例があります。
2 例えば、100パーセント出資の「親会社」のように清算会社と密接な関係を有する法人を選任した事例
があります。
3 清算会社の顧問会計士、弁護士を選任した事例もあります。
- 8. 書式はどのようなもので作成したらよいですか?
- A4判(縦置き/横書き)でお願いします。左綴じで記録を作成しますので、左側に3cmほど余白を作ってください。