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※本ページの情報は、令和6年4月1日から施行された配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律(令和5年法律第30号)による改正後の情報です。
2 配偶者暴力等保護命令手続の流れ
(1) 事前相談
配偶者暴力等保護命令手続を申し立てるに当たっては、事前に、警察署(生活安全課等)又は配偶者暴力相談支援センターに相談をしなければなりません。
配偶者暴力相談支援センターは、大阪府内では大阪府女性相談センター(06-6949-6022)、大阪市配偶者暴力相談支援センター(06-4305-0100)などが担っています。
保護命令の申立書には、これらの相談機関へ赴いて相手方からの暴力を受けたことなどについて相談した事実を記載しなければならず、事前に相談をしていないときは、公証人役場において相手方から暴力を受けたことなどについての申立人の供述を記載し、その供述が真実であることを公証人の面前で宣誓して作成した宣誓供述書を保護命令の申立書に添付する必要があります。そのため、前記の相談機関への事前相談をしてください。
また、子への接近禁止命令、電話等禁止命令又は親族等への接近禁止命令を求める場合、相談又は宣誓の段階でこれらの命令が必要と考えられる事情についても申述しておく必要があります。前記の機関に相談をしておらず、宣誓供述書の添付もないと、申立てをしても保護命令が発令されないことになりますから十分に注意してください。
(2) 申立て
保護命令の申立てに当たっては、大阪地裁に管轄がある場合は、保護命令申立書と添付書類を当部(本館3階)に提出する必要があります。
大阪地裁に管轄があるか否かについては、後記の説明をよくお読みください。
また、保護命令申立書は、大阪府内の配偶者暴力相談支援センターであれば、当部所定の書式を用意してくれますので、前記の相談機関にて受領してください。
また、当部に申立てをされるときは、当日に長くお待たせすることがないように態勢を整えておきたいので、遅くとも前日までに当部まで電話でご連絡をいただきたいと思います。
(3) 申立後の手続-決定まで
当部所定の申立書に必要事項を記載して当部に申立てをした後、担当書記官から受付審査を受け、その後に担当裁判官による審尋を行います。その審尋では、申立書等をもとにして申立てについての詳しい事情をお聞きします。
担当裁判官による審尋の後、原則として約1週間後に相手方を審尋する期日を指定し、相手方を呼び出します。
相手方審尋を一度開催することで十分な心証を得られたときは、その期日において保護命令が発令されることがありますが、双方の言い分が大きく異なっているときなどは、改めて申立人及び相手方から詳しい事情をお聞きするために更に審尋期日が指定されることがあります。
双方から詳しい事情をお聞きした後、保護命令の申立てについての決定がされます。
(4) 発令後-取消しの申立て(被害者から申し立てる場合)
保護命令事件の申立人は、保護命令が発令された後、事情の変更などにより保護命令が必要なくなった場合、保護命令の効力期間中であれば、いつでも、保護命令の取消しの申立てをすることができます(DV防止法17条)。特に、退去等命令が発令された後、転居をした場合には、もはや退去等命令の必要はなくなったこととなりますので、相手方に対し必要以上に不利益を課すことがないように、退去等命令部分の取消しの申立てをすることが望まれます。
(5) 発令後-再度の申立て
相手方から身体への暴力又は生命、身体に対する脅迫を受けて保護命令を受けた申立人が、その後に新たな暴力を振るわれてはいないものの、相手方から威嚇や挑発を受け続けるなどしていて保護命令の期間満了により再び暴力を振るわれるおそれが大きい場合等、前回の保護命令の根拠となった暴力等を原因として、再度の申立てをすることができます。ただし、期間延長や期間更新とは異なり、再度の申立ての段階で保護命令の要件を満たすかを改めて判断することとなります。
再度の申立てを行う場合も、当初の申立てと同様に事前相談を経て申立書及び証拠資料を提出する必要があります。