トップ > 各地の裁判所 > 大阪地方裁判所/大阪家庭裁判所/大阪府内の簡易裁判所 > 裁判手続を利用する方へ > 労働部(第5民事部) > (11) 労災保険の支給に関する事件
仕事中に事故に遭い傷害を負った場合,どうすればよいでしょう。
労働基準法は,労働者が業務上被った負傷,疾病,死亡(労働災害)に対し,使用者が一定の補償をするよう義務付けています(労働基準法75条1項,79条など)。これは無過失責任なので,使用者に落ち度がなくても補償する必要があります。この補償を確実にするために,保険制度が設けられています(労働者災害補償保険法等)。
労働災害にあった労働者又はその遺族は,原則として,労働基準監督署長等に対し,労災保険の支給を求めることができます(労働者災害補償保険法施行規則1条3項等)。保険給付の内容は,療養補償給付,休業補償給付,障害補償給付,遺族補償給付,葬祭料,傷病補償年金,介護補償給付があります。
この申請に対し,不支給処分がされた場合,その取消しを求めて,労働者災害補償保険審査官に対する審査請求や,労働保険審査会に対する再審査請求による不服申立て(労働者災害補償保険法38条1項)等の後(労働者災害補償保険法40条本文等),国に対し,訴えを提起することができます。これらは,行政訴訟の形をとりますが,労働事件といえます。
事故や疾病が業務上の原因によるものといえるのかどうかといった点や,障害の程度が争われます。
なお,通勤中の事故についても,同じような制度があります。
公務員についても,国家公務員災害補償法など,同じような制度があり,これに関する事件も,労働事件といえます。
また,被災した労働者が使用者に対して,損害賠償を求めて提訴することもありますが,これは,大阪地裁では,第5民事部(労働部)ではなく,通常の民事事件を担当する部が担当します。